数学A
紙の上の平面図形から、いよいよ立体へ。空間の対角線・球の体積や表面積・立体の切り口・展開図の最短経路まで、3次元の図形を「見て・回して・取り出して」つかむ単元だよ。難しそうに見えるけど、コツはいつも「立体を平面に直して、前に学んだ三平方で計算する」こと。
空間図形と聞くと身がまえるかもしれないけど、この単元でやることの多くは「立体の中にかくれている平面を1枚取り出して、その上で計算する」ことなんだ。たとえば直方体の対角線の長さは、底面の対角線をまず三平方で求め、それを1辺とする直角三角形をもう一度立てて、また三平方。前に学んだ三平方の定理を2回使うだけで、空間の長さが出せてしまう。
3次元のままでは長さも角度もつかみにくいけど、うまく平面を1枚選べば、そこは見慣れた平面図形の世界。「どの平面を取り出すか」を見つけるのが、空間図形でいちばん大事なワザだよ。立体を回して、いろんな向きから断面をのぞく練習が効いてくる。図の上ではななめに見えている辺も、その辺をふくむ面を正面から見るように取り出せば、本当の長さや直角がそのまま現れるんだ。
この単元では、立体を測るいろいろな道具を手に入れる。球の体積と表面積の公式、角柱・角錐・円錐の計量、そして立体を平面でスパッと切ったときの断面の形。断面は切る向きによって三角形にも四角形にも、正六角形にまでなる。ふだん見えないところに、思いがけない図形がかくれているのがおもしろいところ。
展開図もこの単元の主役の一つ。立体の表面をたどる最短経路は、展開図に開いてしまえば「2点を結ぶ直線」になる。曲がった面の上の「最短」が、平らに開くとまっすぐになる。3次元と2次元を行き来する発想が、ここでもそのまま効いてくるんだ。
しめくくりは、すべての面が同じ正多角形でできた正多面体。正四面体・正六面体(立方体)・正八面体・正十二面体・正二十面体の5種類しか存在しないという、少し不思議な事実に出会う。
そして頂点の数 ・辺の数 ・面の数 のあいだにいつも が成り立つ、オイラーの多面体定理。形がまるで違う立体たちが、たった1本の式でつながっている。立体をぐるっと回して、頂点・辺・面を実際に数えながら確かめると、この式のありがたみが体に入ってくるよ。
空間図形でいちばん多いつまずきは、立体を立体のまま計算しようとして混乱すること。長さを求めたいときは、その線分をふくむ直角三角形が「どの平面の上にあるか」をまず探そう。直方体の対角線なら、底面の対角線と高さと本体の対角線でできる直角三角形。頭の中で立体をくるっと回して、必要な三角形だけを1枚の紙に描き直すと、あとは平面図形の問題に早がわりする。焦って3次元のまま挑まないのがコツだよ。
最短経路の問題では、立体をどの辺で切り開くかによって展開図の形が変わる。正しくない開き方をすると、通るはずの面がつながらず、直線が引けない。まず「経路がまたぐ面はどれとどれか」を確かめ、その面どうしがとなり合うように開くのがポイント。開いたあとは2点を結ぶ直線の長さを三平方で出すだけ。立体のときと展開図のときで、点や辺がどこに移ったかを対応づけながら描くと、ずれにくくなるよ。
球の公式は、体積が半径の3乗()、表面積が2乗()と、 の次数が違う。ここを取りちがえると答えの単位からしておかしくなる。長さは1次元、面積は2次元、体積は3次元と、「求めているものが何次元か」をいつも意識しよう。相似な立体では、長さが 倍になると面積は 倍、体積は 倍になる、というのも同じ話。次元の感覚を持っておくと、公式を丸暗記しなくても「これは面積だから2乗のはず」と自分でチェックできるようになるよ。