数学II
図形を「絵」ではなく「式」で扱う単元。円や直線を方程式で表し、点と直線の距離を公式で出し、ある条件を満たす点の集まり(軌跡)を式で求める。座標という土俵の上で、図形の問題を計算に置きかえていく、高校数学の大きな転換点だよ。
この単元の考え方の芯は、平面上のすべての点に という「住所」をふること。すると図形は、その住所が満たす条件、つまり方程式として書けるようになる。中心 、半径 の円は、中心からの距離が の点の集まりだから、前に学んだ三平方の定理(距離)を使って と表せる。円という「形」が、1本の式に化けるんだ。
直線も方程式で表せる。図形が式になると、2つの図形の交点は「連立方程式の解」になり、図を正確に描かなくても計算で交わり方が分かる。定規とコンパスの世界を、そっくり計算の世界に移しかえるのがこの単元の狙いだよ。
座標平面では、点から直線までの「いちばん近い距離」も公式で一発で出せる。直線 と点の距離が、たった1つの式で求まる。垂線を引いて交点を出して……という手間を、公式がまとめて肩がわりしてくれる。
この距離の考え方は、円と直線の位置関係(交わる・接する・離れる)を判定するのにそのまま使える。中心から直線までの距離と半径を比べるだけで、接するかどうかが分かる。図形の「接する」という微妙な状態が、距離という数の大小に置きかわるのがおもしろいところ。
この単元のハイライトが軌跡。「ある条件を満たす点は、どんな図形を描くか」を求める問題だよ。動く点を と置き、条件を式にして整理すると、その点が通る道すじの方程式が出てくる。
たとえば「ある点と、ある直線から等しい距離にある点」を追いかけると放物線が、「2点からの距離の比が一定の点」を追いかけると円(アポロニウスの円)が現れる。バラバラに見える曲線が、じつは「距離の条件」という同じ発想から生まれてくる。ここで身につけた立式の型は、この先の不等式の表す領域や二次曲線、そしてベクトルへとつながっていくよ。
円の方程式は の形なら中心と半径がすぐ読めるけど、問題では のように展開された形で出てくることが多い。この「くずれた形」をそのまま見ても中心も半径も分からない。 の項・ の項をそれぞれ平方完成して標準形にもどすのが第一歩。右辺が負になったら、その式は円を表さない(実在しない)ことも見ぬけるようになると強いよ。
点と直線の距離の公式は、分子に絶対値がつき、分母に が来る。絶対値を外し忘れて距離がマイナスになったり、分母のルートを忘れたりが定番のミス。距離は必ず 以上、と頭の片すみに置いておこう。また直線の式は の形(右辺を )にそろえてから 、、 を読み取ること。 のような形のまま係数を拾うと合わなくなるよ。
軌跡の問題でつまずくのは、何を と置けばいいのか迷うところ。求めたい「動く点」そのものを と置くのが基本だよ。与えられた条件(距離が等しい、比が一定など)を の式で書き下し、整理していくと軌跡の方程式が現れる。途中で別の動く量を文字で置いた場合は、最後にその文字を消して と だけの式にすることも忘れずに。そして出てきた方程式が円なのか放物線なのか、図形の名前まで答えて仕上げよう。立式 → 整理 → 図形の判定、という3ステップを型として身につけると、初めて見る軌跡の問題でも手が動くようになるよ。