数学B
数が規則正しく並んだ列、それが数列だよ。 のように一定の差で増えたり、 のように倍々になったり。数列の単元では、その並びの規則を見つけ、たくさんの項の合計をずるく速く求め、規則から列を作り出す漸化式や、ドミノ倒しのような帰納法まで学ぶ。「規則を見つけて言い切る」力を育てる大きな単元なんだ。
数列の基本は2種類。一定の「差」で増えるのが等差数列( は公差 )、一定の「倍率」で増えるのが等比数列( は公比 )だ。となりとの関係が「たし算か・かけ算か」で、この2つが分かれる。
合計を求めるときは、図で見るとずるい近道がある。等差数列は、階段状の棒をひっくり返してもう1組重ねると、ぜんぶ同じ高さの長方形になる。長方形の面積は合計の「2つ分」だから、半分にすれば合計。これが「(初項+末項)×個数÷2」の正体だよ。等比数列も、倍々に積んだ和は「次の項より初項ぶんだけ低い」という形で一気に求められる。
数を図形として並べると、また別の規則が見えてくる。四角数 ()は、 辺を 増やすたびに外側にL字が残る。このL字の個数=となりの項との差が階差で、四角数の階差はちょうど奇数 になっている。前に学んだ二次関数の「二乗」が、ここでは図形数として顔を出すよ。
たくさんの項を足す作業には (シグマ)という記号を使う。 は「 を から まで動かして全部たす」という、長い足し算のショートカット。 段目に 個のタイルを積んでいくと三角の階段になり、その総数が合計だ。記号は難しそうに見えても、やっていることは「順番に積んで足す」だけなんだ。
漸化式は「前の項から次の項を作る規則」。たとえば「次=前の 倍」と初項を決めれば、 と何項でも作り出せる。全部の値を覚えなくても、規則さえあれば数列は再現できる、という考え方だよ。
そして数学的帰納法は、「すべての で成り立つ」を証明する道具。ドミノ倒しにたとえると、①最初の 個が倒れる、② 番目が倒れれば必ず次も倒れる、この2つを確かめれば、あとは連鎖して全部倒れる=すべての で成り立つ、と言い切れる。1つずつ確かめる代わりに「連鎖の仕組み」を保証するのが、帰納法のうまさなんだ。
等差数列の和の公式「(初項+末項)×個数÷2」を、意味を考えずに丸暗記すると、 を忘れたり末項を取りちがえたりしやすい。図にもどると理由がはっきりする。階段をひっくり返して重ねた長方形は、合計の「2つ分」()。だから本当の合計はその半分、という なんだ。公式を忘れても、「同じ列を逆さに重ねて長方形、その半分」という絵を思い出せば、その場で作り直せるよ。
という記号を見たとたん「難しそう」と身構えてしまう人が多い。でも がしていることは、 を から順に ずつ動かして、その値を全部たす、というだけ。三角の階段を積み上げて数える作業を、短く書いただけなんだ。まずは と具体的に書き下して、何を足しているのかを自分の手で確かめる。記号の見た目に惑わされず、中身は「順番に足す」という素朴な操作だと押さえれば、こわくなくなるよ。
漸化式の問題で、各項の値をひたすら計算して覚えようとすると、項が増えたとたんに行きづまる。大事なのは値そのものではなく、「前からどうやって次を作るか」という規則のほうだ。 を覚えるのではなく、「 倍して 足す」という作り方を握っておけば、何項先でも作れるし、初項を変えても全項がその規則で連動して動く。数列は「結果の列」より「作り方の規則」を主役に見る、という視点の切り替えが、漸化式や帰納法を理解する鍵になるよ。