定理辞典📖 定理辞典

数列・Σ・漸化式・帰納法

等比数列の和

初項 aa・公比 r(1)r\,(\neq1)・項数 nn の等比数列の和は Sn=a(1rn)1rS_n=\dfrac{a(1-r^n)}{1-r}

主張

となり合う項が一定の倍率(公比 rr)でふえていく等比数列の、初項 aa から第 nn 項までの和 SnS_na(1rn)1r\dfrac{a(1-r^n)}{1-r} で求められるよ(r1r\neq1)。たとえば公比 221+2+4+8=151+2+4+8=15 は、図で見ると「次の項 1616 ひく初項 11」。倍々の和は、ひとつ先の項からはみ出しぶん(初項)を引くだけで出る。これがいちばんの値打ちだね。r=1r=1 のときだけは全部同じ数なので Sn=naS_n=na

Sn=a(1rn)1r=a(rn1)r1(r1)S_n=\dfrac{a(1-r^n)}{1-r}=\dfrac{a(r^n-1)}{r-1}\quad(r\neq1)
合計次の項
公比 22 の例。赤い合計の棒は、むらさきの「次の項」より黄色いすきま(初項ぶん)だけ低い。倍々の和は『次の項 - 初項』。

成り立つ条件

となり合う項の比がいつも同じ(公比 rr が一定)であること。r1r\neq1(分母が 1r1-r なので r=1r=1 は別あつかい=Sn=naS_n=na)。aa は初項、nn は項数(正の整数)。a(1rn)1r\dfrac{a(1-r^n)}{1-r}a(rn1)r1\dfrac{a(r^n-1)}{r-1} は同じ式で、分母・分子の符号をそろえただけ。r>1r>1 なら後者が計算しやすいよ。

証明(なぜ成り立つ?)

SnS_n を公比 rr 倍して 11 つずらし、もとの SnS_n から引く。まん中の項がごっそり打ち消し合うのを使う。

  1. 1

    和を Sn=a+ar+ar2++arn1S_n=a+ar+ar^2+\cdots+ar^{n-1} と書くよ。初項 aa から、公比を 11 つずつかけた nn 個を足したものだね。

  2. 2

    両辺を公比 rr 倍すると rSn=ar+ar2++arnrS_n=ar+ar^2+\cdots+ar^{n}。もとの SnS_n11 つ右にずらした形で、arar から arn1ar^{n-1} までがそっくり共通になっているのがポイント。

  3. 3

    SnS_n から rSnrS_n を引くと、まん中の項はぜんぶ打ち消し合って、最初の aa と最後の arn-ar^{n} だけが残るよ。

    SnrSn=aarnS_n-rS_n=a-ar^{n}
  4. 4

    左辺を (1r)Sn(1-r)S_n とまとめ、r1r\neq1 なら 1r1-r で割って Sn=a(1rn)1rS_n=\dfrac{a(1-r^n)}{1-r}。図の公比 22 では 2SnSn=Sn2S_n-S_n=S_n が「次の項 - 初項」=arna=ar^{n}-a にあたるよ。

和の式は Sn=a1ra1rrnS_n=\dfrac{a}{1-r}-\dfrac{a}{1-r}\,r^{n}、つまり「定数 - 定数×rn\times r^n」の形。逆に、和が Sn=AArnS_n=A-A\,r^{n} の形(同じ定数 AA が引かれる)で表せれば、その数列は公比 rr の等比数列だと読める。さらに r<1|r|<1 のときは rn0r^n\to0 なので、項を限りなく足した和は a1r\dfrac{a}{1-r} に収束する(無限等比級数)。

補足・つまずきポイント

つまずきやすいのは 33 点。① r=1r=1 の場合分けを忘れない(Sn=naS_n=na)。② r1r-1(または 1r1-r)で割るので r1r\neq1 が前提。③ 指数は rnr^{n} であって rn1r^{n-1} ではない(初項 a=ar0a=ar^0 から第 nnarn1ar^{n-1} まで nn 個を足すと、分子に rnr^n が出る)。図の「次の項 - 初項」は公比 22 の特別な見え方で、一般には Sn(1r)=a(1rn)S_n(1-r)=a(1-r^n) がその一般化だよ。

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