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数学B

確率漸化式のガイド

『今の確率』が分かっていると、『次の確率』を作れる。この関係を式にしたのが確率漸化式だよ。数列の漸化式とそっくりな形で、確率と数列がひとつに合わさる、高校の確率のまとめ役みたいな単元なんだ。

この単元の全体像

今の確率から次の確率を作る単元

ロボットが部屋 A と B を毎分行き来する、といった『時間とともに状態が移っていく』問題を考える。今 A にいる確率が分かっているとき、1分後に A にいる確率はいくつか。これを『今の確率』から計算するのが確率漸化式だよ。1歩先の確率を、今の確率だけを使って求めるのがポイントなんだ。

たとえば A にいると、とどまるのが 23\frac{2}{3}・B へ移るのが 13\frac{1}{3}、というふうに移り方の確率が決まっているとする。すると次に A にいる確率は『(今 A)×23\times\frac{2}{3} +(今 B)×13\times\frac{1}{3}』。今の確率をそれぞれの移り方でふり分けて足し合わせる、という形になるんだ。

数列の漸化式とそっくり

この『前の項から次の項を作る』形は、数列で学んだ漸化式とまったく同じ構造だよ。nn 分後に A にいる確率を ana_n とすれば、an+1a_{n+1}ana_n で表す式が立つ。つまり確率漸化式は『確率を項とする数列』なんだ。だから数列で身につけた『漸化式を解いて一般項を求める』道具が、そのまま確率の問題に効いてくる。

確率(数学A)と数列(数学B)という別々に学んだ2つが、ここで1つに合流する。融合問題として入試でもよく出るのは、この『2つの単元をまたぐ』おもしろさがあるからなんだ。

くり返すと落ち着く先=収束

確率漸化式のもうひとつの見どころが『ずっとくり返すとどうなるか』。ロボットの例では、最初は A に 100%100\% いても、行き来をくり返すうちに A と B の差はだんだん縮まり、やがて半々(0.50.5)に近づいていく。この落ち着く先が『収束』だよ。

はじめの状態(最初どちらにいたか)のかたよりが、くり返しでならされていく、というのが直感的なイメージ。数列の極限(だんだん近づく先)の考え方ともつながっていて、『長い目で見たときの確率』を読み取れるようになる。確率の分野を、時間の流れのなかで捉え直す単元なんだ。

こうした『状態が確率で移り変わり、やがて落ち着く』見方は、天気の移り変わりや、ゲームの状態遷移など、身のまわりのいろいろな変化にあてはまる。1歩先を今から作り、それをくり返して長い先を見通す、という考え方は、この単元を越えて広く役立つ道具になるよ。

つまずきポイント

今の確率と次の確率を混ぜてしまう

確率漸化式でいちばん混乱しやすいのが『今』と『次』の区別。式の右がわ(今 A・今 B)と左がわ(an+1a_{n+1}=次に A)をきちんと分けないと、同じ文字を使い回して式がぐちゃぐちゃになる。ana_n(今)と an+1a_{n+1}(次)のように番号でしっかり区別して、『次の確率 = 今の確率をふり分けて足したもの』という向きを固定しよう。時間が1歩進む、という流れを見失わないのがコツだよ。

移り方の確率を全部たすと1になることを使わない

各状態から出ていく確率は、ぜんぶ足すと必ず 11 になる(どこかへは必ず動く/とどまるから)。A から『とどまる 23\frac{2}{3} + B へ 13\frac{1}{3}』で 11、というふうにね。これを使うと、ana_nbnb_n(B にいる確率)のあいだに an+bn=1a_n+b_n=1 という関係が立って、文字を1つ減らせる。この関係に気づかず2つの文字を抱えたまま進むと、式が余計に複雑になる。『確率の合計は1』はここでも強い武器なんだ。

収束の値を『必ず半々』と思い込む

ロボットの例ではたまたま 0.50.5 に収束したけれど、収束する先はいつも半々とはかぎらないよ。それは A・B の移り方の確率が左右対称だったから。移りやすさがかたよっていれば、落ち着く先も 0.50.5 からずれる。収束の値は『これ以上変わらない状態』、つまり an+1=ana_{n+1}=a_n とおいて解くと求まる。『くり返すと半々』と暗記するのではなく、つり合う値を式から出す、と考えておこう。

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