代数編1
数の代わりに文字を使うと、まだ決まっていない数や、どんな数でも成り立つ関係を、1本の式で表せる。この単元は、文字式の読み方・まとめ方と、その中心にある「分配法則」を、長方形の面積として目で見て身につけるよ。
という文字は「まだ値が決まっていない、ある数」を表す。たて ・横 の長方形の面積が 。このように、文字式はしばしば長方形の面積として絵にできる。 なら同じタイルが2枚、 なら1辺 の正方形。式の意味を面積の絵に置きかえられると、文字式が「記号の羅列」ではなく「形」として頭に入ってくるよ。
同じ文字どうし(同類項)はまとめられる。 は「 のタイルが3枚と2枚で合わせて5枚」と考えれば当たり前。逆に はタイルの形が違うからまとめられない。「まとめられる/られない」の判断も、タイルの絵で見れば迷わなくなる。
この単元の主役が「分配法則」。横 ・たて の大きな長方形を、 と の2枚に切り分ける。それが分配法則の正体だよ。引き算のとき も、大きい長方形から の分を削る、と考えれば同じこと。
分配法則は、この先の展開・因数分解、方程式、比例のグラフまで、代数のあらゆる計算のエンジンになる。ここでの「かっこを外す/くくり出す」感覚が、そのまま二次式の展開 や因数分解につながっていくよ。
「数を文字に置きかえるなんて、かえってややこしい」と感じるかもしれない。でも文字のいちばんの強みは、「どんな数でも成り立つこと」を1本の式で言い切れること。たとえば「偶数と偶数を足すと偶数」を、数字だけで確かめるといくつ試しても終わらないけれど、偶数を と書けば と、一発で「必ず偶数」だと示せる。
文字は「まだ決まっていない数の入れ物」でもあり、「代金 = 単価 × 個数」のような関係を とまとめる道具でもある。方程式も関数も証明も、この先の代数はぜんぶ、この「文字で表す」力の上に立っている。ここで文字式に親しんでおくことが、中学数学の代数のスタート地点なんだ。
いちばん多いミスが、 を としてしまうこと。かっこの前のマイナスは中身ぜんぶにかかるから、正しくは 。 と、 の符号も反転する。かっこを外すときは「前の符号を、中の項ひとつひとつに配る」。分配法則そのものだと意識すれば、符号の付け忘れが減るよ。
は (かけ算=くっつける)だけど、 は のまま(たし算=まとめられない)。 が具体的な数じゃないので、 を や にはできない。「かけるならくっつく、足すだけなら別々」。この区別を最初にはっきりさせておくと、この先ずっとラクになる。
を のようにまとめてしまうのは間違い。 と はタイルの形(次数)が違うから別のもの。まとめられるのは、文字の部分がまったく同じ項(同類項)だけだよ。式を整理するときは、同じ文字・同じ次数のものに印をつけてから足す、という手順を踏むと安全。・・数字だけの項(定数項)は、それぞれ別のグループとして分けて考えよう。
係数が省略されているときも見落としやすい。 は本当は で係数は 、 は係数 だよ。だから は ではなく 。「文字だけの項には見えない が隠れている」と意識しておくと、同類項をまとめるときの数え間違いが減る。ここは地味だけど、この先の計算ミスの多くがここから生まれるから、ていねいに扱おう。