代数編1
のような、 が1個ぶんだけ入った等式が一次方程式。左と右がつりあった天秤だと思って、両がわに同じことをしながら だけを残していく。この「つりあいをくずさない」感覚がつかめれば、方程式はこわくないよ。
方程式の は、左の皿と右の皿がぴったりつりあった天秤だと思ってみよう。 なら、左の皿に「 の箱と重り2個」、右の皿に「重り5個」がのっていて、水平にとまっている状態だね。 という「中身のわからない箱」の重さを言い当てるのが、方程式を解くということなんだ。
つりあった天秤は、両がわから同じ重さを取り除いても、両がわに同じ重さを足しても、水平のまま。この「同じことを両がわにすればつりあいは保たれる」というルールが、方程式を解くただ一つの原理だよ。左右の皿から重り2個ずつ取り除けば、左は の箱だけ、右は重り3個。つりあったままだから 、と言い当てられる。取り除くだけでなく、両がわを同じ数でわる・同じ数をかけるのも、つりあいをくずさない操作。ゴールはいつも「 の箱だけを片方の皿に残す」ことだよ。
「両がわから同じ数を引く」を毎回書くのは大変なので、慣れると項をパッと反対側へ移す「移項」を使う。 の を右へ移すと になり、符号が から に変わる。これは天秤の操作を省略して書いているだけで、やっていることは「両がわから 2 を引いた」のと同じなんだ。
移項の「符号がひっくり返る」ルールは、丸暗記だと向きを間違えやすい。でも「もとは両がわに同じ操作をしただけ」という天秤の絵を持っていれば、あやしいときはいつでもそこに立ち返って確かめられる。ショートカットと、その裏にある原理をセットで持っておくのがコツだよ。
一次方程式で身につく「両がわに同じことをして を残す」考え方は、この先ずっと使う道具。次の「連立方程式」では式が2本になり、その解が2直線の交点として見えてくる。さらに「一次関数」では、 という式そのものを直線のグラフとして扱うことになる。
式を天秤としてほどく感覚は、二次方程式や、もっと複雑な式変形にもそのまま効いてくる。移項・両辺を同じ数でわる、といった一つひとつの操作が「つりあいをくずさない変形」だと分かっていれば、式が長くなっても迷子にならない。ここは代数の「操作の作法」を身につける単元なんだ。
いちばん多いミスが、左の皿からだけ重りを取り除いて、右をそのままにしてしまうこと。天秤で言えば、かたっぽだけ軽くしたら当然かたむいてしまう。 を「両辺を2でわる」とき、右の も忘れずに 2 でわって 。「同じことは必ず両がわに」。これを一手ごとに確かめるだけで、計算ミスがぐっと減るよ。
を、 を右へ移したのに としてしまう取りちがえ。移項は「両がわから 2 を引く」の言いかえだから、移った項の符号は必ずひっくり返って になる。あやしいと感じたら、ショートカットをやめて天秤の操作(両がわから同じ数を引く)に一度もどると、符号の向きを確実に決められるよ。
方程式は、出した答えをもとの式にもどして確かめられるのが強み。 が出たら、 の に 3 を入れて、左が で右とそろうかを見る。ここで合わなければ、途中の操作のどこかでつりあいをくずしている合図だよ。
とくに符号や、両辺を数でわる場面でミスは起きやすい。だからこそ「解いたら代入して確かめる」をクセにしておくと安心。天秤の絵で言えば、言い当てた箱の重さを実際に皿にのせ直して、本当に水平になるかを見ているのと同じこと。検算まで含めて一次方程式、と考えておこう。