代数編1
片方が動くと、もう片方も決まった割合で連動する。それが比例と反比例。 は原点を通るまっすぐな直線、 は原点に近づく曲線(双曲線)。式とグラフを行き来しながら「関数」という考え方の入り口を体感していくよ。
比例 は、 が2倍になれば も2倍、3倍になれば も3倍になる、という「同じ割合でついてくる」関係。これを座標平面にかくと、原点を通るまっすぐな直線になる。 のとき だから必ず原点を通り、割合が一定だから曲がらずまっすぐ、というわけだね。
比例定数 は、その直線のかたむき(急さ)を表す。 を大きくすると同じ でも が大きくなって、線がぐっと急になる。 がマイナスなら右下がりの直線に。式のたった1つの数が、グラフの見た目を決めている。ここで「式とグラフは同じものの2つの顔」という感覚が育つよ。
反比例 は、 と をかけると、いつも同じ数 になる関係。 が2倍になれば は半分、というふうに片方が増えるともう片方が減る。グラフは2つに分かれた曲線(双曲線)で、 を大きくすると は 0 にどんどん近づくけれど、 では 0 でわれないから決して軸には触れないんだ。
比例はまっすぐ、反比例は曲線。見た目はまるで違うけれど、どちらも「片方が動くともう片方が決まる」仲間。この「入力を1つ決めると出力が1つ決まる」という関係こそ「関数」の考え方で、比例・反比例はそのいちばんやさしい入り口になっているよ。
この単元では、点を の組で表す座標平面にも慣れる。式を満たす点を集めるとグラフになり、逆にグラフ上の点は式を満たす。この行き来が、これから習うすべての関数で使う基本動作になる。
比例で身につけた「原点を通る直線」は、次の「一次関数」で切片ぶんだけ上下にずらすと になる。さらに「連立方程式」では、2本の式を2本の直線と見て、その交点を解として読むことになる。比例・反比例は、式と図をつなぐ発想を最初に育てる大事な足がかりなんだ。
「片方が増えたら、もう片方はどうなる?」をあいまいにすると、比例と反比例を混同しやすい。比例 は が増えれば も増える(割った が一定)、反比例 は が増えると は減る(かけた が一定)。「わって同じか、かけて同じか」で見分けると、はっきり区別できるよ。
双曲線は が 0 に近づくほど 軸にぴたっと寄っていくので、つい軸にくっつけて描いてしまいがち。でも は「0 でわる」ことになり、そもそも が決まらないから、グラフは軸に触れないし交わらない。限りなく近づくけど届かない、という双曲線ならではの様子を、ここで正しくつかんでおこう。
「グラフが1点を通る」だけの情報から、いきなり を決めようとして戸惑うことがある。比例 は原点を必ず通るので、原点以外にもう1点あれば は決まる。たとえば を通るなら から 。式に点の座標を代入して を逆算する、という一手を覚えておこう。
反比例 も同じで、通る1点の と をかければ が出る( なら )。グラフから式を求める問題は、この「通る点を式に代入する」がいつもの入り口。点とグラフと式は、たがいに行き来できる同じ情報なんだ、という見方を持っておくと迷わないよ。表・グラフ・式のどれか1つがわかれば、残りはそこから作れる。比例・反比例は、その行き来をいちばんやさしい形で練習できる単元なんだ。