数学A
樹形図で場合の数を『1つずつ数える』ことをおぼえたら、次はもっと大きな数を一気に数える道具。それが順列と組合せだよ。『並べる=かけ算』『選ぶ=わり算』という2つの見方で、数え上げをぐんと速くする単元なんだ。
前の単元では、場合の数を樹形図の枝を数えて求めたよね。でも人数や回数が増えると、枝は何十本にもなって数えきれない。そこで枝を1本ずつ数える代わりに、かけ算とわり算で計算してしまおう、というのがこの単元。数え上げを『作業』から『計算』にする、大事なステップアップだよ。
カギになるのは2つの見方。順番を気にして『並べる』のか、順番を気にせず『選ぶ』だけなのか。この区別がすべての土台になる。同じ4人から2人を扱う問題でも、『並べる』のか『選ぶ』のかで答えが変わるんだ。
『並べる』ときは、1つずつ場所をうめていくと考える。4人から2人を選んで1列に並べるなら、1人目は4通り、2人目は残りの3通り。かけ算して 通り。これが順列()だよ。樹形図でいうと、1人目の4本の枝それぞれから3本ずつ開くので枝先が12本、という数え方をかけ算にまとめたものなんだ。
使う人数を1人ずつ減らしながらかけていく、というのが順列の基本の形。文字式の展開(分配法則)で『何通りのかけ合わせがあるか』を数えた感覚とも地続きで、二項定理 の係数にもつながっていくよ。
順番を気にせず『選ぶだけ』なら、話は少し変わる。たとえば A→B と B→A は、並べ方としては別だけど、できる組はどちらも で同じだよね。つまり並べ方では、同じ組を『並べ替えのぶんだけ』何回も重複して数えてしまっている。
だから組合せは『順列 並べ替えの数』で求める。2人の並べ替えは2通りだから、 通り。これが組合せ()だよ。順列と組合せは別々の公式ではなく、『並べる数を、数えすぎたぶんで割ると選ぶ数になる』という1つのつながり。これが分かると、この先の確率(反復試行・条件付き確率)で数え上げが一気にラクになるんだ。
いちばんの分かれ道が『順番が大事かどうか』の見きわめ。ここを間違えると、順列で答えるべきところを組合せで答えたり、その逆をやってしまう。見分けるコツは『入れかえたら別のものになるか』を問うこと。1位と2位を決める、班長と副班長を選ぶ、席に並べる、なら順番が意味を持つので順列。ただ代表を選ぶ、チームを作る、なら入れかえても同じなので組合せ。問題文に『並べる・順に・1列に』があれば順列、『選ぶ・組・チーム』があれば組合せ、と手がかりを拾おう。
組合せは『同じ組を何回数えたか』でわり算するのがルール。この『何回』は、選んだ人数ぶんの並べ替えの数だよ。3人を選ぶなら並べ替えは 通りなので6で割る。ここを『とりあえず2で割る』のように適当にやると合わなくなる。なぜ割るのか(重複して数えたぶんを消すため)、いくつで割るのか(選んだ人数の並べ替えの数)をセットで理解しておくと、公式を忘れても組み立て直せるよ。
や の と を逆にしてしまうミスが多いよ。 は『全体で何個あるか(選ぶもとの数)』、 は『そこから何個とるか』。4人から2人なら 、 で だ。記号を丸暗記すると入れかわりやすいので、『大きい方(もとの数)が左下、とる数が右下』と場所で覚えるといい。意味とつなげておけば、数字が入れかわっても気づけるようになるよ。