幾何編2
形はそっくり同じで、大きさだけが違う。それが「相似」だよ。合同が「完全なコピー」なら、相似は「拡大・縮小したコピー」。角はそのまま、辺はすべて同じ比で伸び縮みする、という関係だよ。
2つの図形が相似というのは、片方を拡大または縮小すると、もう片方にぴったり重なるということ。このとき、対応する角はすべて等しく、対応する辺の長さの比(相似比)はすべて等しくなる。合同は相似比が の特別な場合、と考えると、合同の延長線上に相似があるのが見えてくるよ。
三角形が相似だと言うには、3辺ぜんぶを調べなくてもいい。相似条件は3つあって、「3組の辺の比が等しい」「2組の辺の比とその間の角が等しい」「2組の角が等しい」のどれか1つが言えれば十分。とくに「2角が等しい」は、平行線や対頂角と相性がよくて、いちばんよく使う武器になる。
1つ前の単元で学んだ「合同」は、形も大きさもまったく同じ図形どうしの関係。それに対して相似は、形は同じで大きさは違ってもいい、というゆるやかな関係だよ。合同なら対応する辺は「等しい」、相似なら対応する辺は「同じ比」。合同の「等しい」を「比が等しい」に置きかえたのが相似、と考えると、2つのつながりが見えてくる。
だから相似条件も、合同条件とよく似た顔をしている。合同条件の「3辺相等」「2辺夾角」「2角夾辺」に対して、相似条件は「3辺の比」「2辺の比と夾角」「2角」。合同で身につけた「どこがそろえば同じと言えるか」の感覚が、そのまま相似でも活きるんだ。
相似がわかると、直接は測れない長さを比で求められるようになる。木の高さを影の長さから出す、地図の縮尺、砂時計型(2直線が交わってできる相似)の線分の長さ。どれも相似比の計算だよ。
この単元は、次の「平行線と線分の比」や「三平方の定理」、さらに発展のチェバ・メネラウスの定理まで、あらゆる「比の幾何」の土台になる。相似をしっかりつかんでおくと、この先の図形問題が「比の問題」として見通しよく解けるようになるよ。
と書いたら、、、 が対応している、という約束。この順番がずれると、辺の比を立てるときに対応相手を取りちがえて答えが合わなくなる。相似を宣言するときは、対応する頂点どうしが同じ位置に来るように、頂点の順番をそろえて書くクセをつけよう。
「2角が等しいから相似」を使うとき、その角がなぜ等しいのかを言わずに進めてしまうミスが多い。平行線の錯角・同位角、交点の対頂角、共通の角。等しさには必ず理由がある。証明では「平行だから錯角が等しい」のように、等しい根拠を1つずつ書こう。砂時計型なら「対頂角+錯角」で2角がそろう、という定番の流れを覚えておくと速いよ。
相似比が のとき、辺の長さの比は だけど、面積の比は になる。長さは比のまま、面積はその比の「2乗」。ここを混同すると面積の問題で必ずつまずく。相似比を とすると、面積比は (立体なら体積比は )。このセットで覚えておこう。
なぜ2乗になるのかも、絵で見れば当たり前。1辺が2倍の正方形は、たても横も2倍だから、面積は 倍になる。長さは1方向の伸び、面積は2方向ぶんの伸びだから、比が2乗で効いてくるんだ。「倍にコピーしたら、面積は思ったより増える」という感覚を持っておくと、 を と書きたくなる誘惑に負けなくなるよ。