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発展(数学A)

チェバ・メネラウスのガイド

三角形の中で線分の比をぐるっと3つかけ合わせると、なぜかいつも 11 になる。チェバの定理とメネラウスの定理は、そんな「比の積」で図形のしくみを言い当てる強力な道具だよ。相似で身につけた「比で見る目」が、ここで一気に花ひらく。

この単元の全体像

2つの定理が見ているもの

チェバの定理は「3本の直線が1点で交わる(共点)」ための比の条件、メネラウスの定理は「3つの点が一直線に並ぶ(共線)」ための比の条件を教えてくれる。どちらも、三角形の辺を分ける比を頂点から頂点へと一周ぶんかけ合わせると、その積がちょうど 11 になる、という形をしている。

見た目はそっくりだけど、役割は正反対。チェバは「1点に集まっているか」、メネラウスは「1直線に並んでいるか」を判定する。図の中で「点に集まる話」なのか「線に並ぶ話」なのかを見分けるのが、使い分けの第一歩だよ。

なぜ積が 11 になるの?

どちらの定理も、種明かしは前に学んだ相似(と面積比)にある。三角形の中に平行線を補ったり、共通の高さを持つ三角形どうしを見つけたりすると、「線分の比」を「面積の比」に置きかえられる。ぐるっと一周ぶんの比をかけ合わせると、途中の面積が次々と約分されて消え、最後に 11 だけが残る。これが積が 11 になるしくみだよ。

だから丸暗記しなくても、相似と面積比という道具の組み合わせから導ける。理由まで分かっていれば、比を拾う向きを間違えたときに「あれ、約分できないぞ」と自分で気づけるようになる。

どこで効いてくる?

この2つがあると、これまで「補助線をどう引くか」で悩んでいた交点・比の問題が、比のかけ算だけで機械的に解けるようになる。たとえば三角形の3本の線が1点で交わることの証明や、その交点が辺を何対何に分けるか、といった問題で威力を発揮する。

五心(重心・内心など)で「なぜ3本の線が1点に集まるのか」を、チェバの定理で一発で説明できるのも気持ちいいところ。中線・角の二等分線が作る比をかけ合わせるとちょうど 11 になり、共点であることが式だけで確かめられる。作図で線を引いて「たしかに交わった」と目で見た事実を、今度は理由づけできるようになるわけだ。

しかも、チェバもメネラウスも「逆」が成り立つのが強い。積が 11 なら共点・共線だと言えるので、証明したいことに向かって式から攻められる。相似から始まった「比で図形を読む」流れが、ここで一つの到達点にたどり着く単元だよ。

つまずきポイント

比は「一周する向き」でそろえて拾う

いちばんの落とし穴は、比を拾う順番。頂点 AA から出発して、分けられた点をたどりながら ABCA \to B \to C と三角形を一周する向きで、AXXBBYYCCZZA\dfrac{AX}{XB}\cdot\dfrac{BY}{YC}\cdot\dfrac{CZ}{ZA} のように「次の頂点へ向かう順」でそろえるのがコツ。バラバラの向きで拾うと積が 11 にならない。図の頂点に AABBCC と印をつけて、指でぐるっとなぞりながら分子・分母を書き出そう。

メネラウスは辺の延長上の点も使う

メネラウスの定理では、直線が三角形の辺そのものではなく、辺を延長した先で交わることがよくある。「三角形の中だけ」を見ていると、外にある交点を見落として比を拾えない。直線が三角形とどこで交わるか(辺の上か、延長線の上か)を先に全部見つけてから、比を組み立てよう。延長上の点がからむと符号や外分の考え方が要るので、そこも意識しておくといい。

チェバとメネラウスを取りちがえない

式の形が似ているので、共点の問題にメネラウスを、共線の問題にチェバを当ててしまう取りちがえが起きやすい。「3本の線が1点(セバ=cevian)」ならチェバ、「1本の直線が3辺を横切って点が並ぶ」ならメネラウス、と「主役が点か線か」で区別しよう。問題文が何を証明させたいのか(1点で交わる? 一直線に並ぶ?)を先に読み取ると、どちらを使うか迷わなくなるよ。

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