幾何編1
図形の勉強は、まず「角」から。2本の直線が交わると4つの角ができて、向かい合う角(対頂角)はいつも等しい。この当たり前に見えるルールが、この先の平行線・三角形・合同まで、幾何ぜんぶの出発点になるよ。
平面図形の学習は、点・直線・角といった一番の基本から始まる。中でも主役は「角」。角は2本の半直線がひらいた「開き具合」のことで、大きさを度()ではかる。1周は 、一直線は 、直角は 。この3つの基準の角をまず体にしみ込ませよう。ここが分かっていれば、あとの角の計算はほとんど足し引きで片づくよ。
この単元のいちばん大事な発見が「対頂角は等しい」。2本の直線が1点で交わると、そのまわりに角が4つできる。向かい合う位置にある2つの角(対頂角)は、いつでも同じ大きさになるんだ。理由もかんたんで、となり合う角どうしを足すと一直線の 。だから「 から同じ角を引いた残り」として、向かい合う2つはぴったり一致する。暗記じゃなく、この「引き算の理由」ごと覚えておこう。
ここで身につけた「一直線は 」「対頂角は等しい」という道具は、すぐ次の「平行線と角」で大活躍する。平行線に斜めの線が交わってできる錯角が等しいことは、じつは対頂角の性質を使って導かれるんだ。さらにその先の「三角形と多角形の角」では、三角形の内角の和が になる理由の説明にも、これらの角の性質がそのまま効いてくる。
つまりこの単元は、派手な結果は少ないけれど、幾何という建物の「土台」にあたる。作図でも図形の移動でも、まず「どの角が等しいか・何度か」を見抜くところから始まる。ここでの角の見方が、この先ずっとあなたの武器になるよ。
角の呼び名にも少し慣れておこう。角は3つの点を使って のように書き、真ん中の が頂点(角のかなめ)を表す。図の中に角がたくさんあるときは、この3文字の書き方で「どの角の話か」をはっきりさせられる。ほかにも、 より小さい角を鋭角、 より大きく より小さい角を鈍角と呼ぶ。こうした言葉を知っておくと、問題文が何を指しているかをすばやくつかめるよ。
交点のまわりの4つの角のうち、等しいのは「向かい合う」対頂角どうし。「となり合う」角どうしは、等しいのではなく合わせて になる関係だよ。この2つは混ざりやすい。図が斜めに描かれていると、どれとどれが向かい合っているか分かりにくくなるので、まず1つの角を決めて、その真向かいをまっすぐたどる、という順番で対頂角を見つけよう。
角を見るとき、はさんでいる線が長いほど角も大きい、と勘違いしやすい。でも角の大きさは2本の線の「開き具合」だけで決まっていて、線をどれだけ長くのばしても短くしても角は変わらない。図で辺が長く描かれていても、それにつられて「大きい角」と思い込まないこと。角どうしを比べるときは、頂点を重ねて開き具合だけを見るクセをつけよう。
「なんとなく直角に見えるから 」というように、図の見た目だけで角を決めてしまうのは危険。図は正確に描かれているとは限らないし、テストでも「見た目」は理由にならない。使っていいのは「一直線は 」「対頂角は等しい」といった、はっきりした根拠だけ。分かっている角から順に、 の引き算や対頂角を根拠に、1つずつ角を埋めていく。この「根拠を言いながら進める」練習を、この最初の単元から始めておくと、証明の単元でぐっと楽になるよ。