幾何編1
円をピザのひと切れみたいに切り取った形が「おうぎ形」。弧の長さも面積も、じつは「中心角が1周のどれだけの割合か」という、たった1つの考え方だけで全部求められるよ。公式を丸暗記しなくても、割合さえつかめば怖くない単元だよ。
おうぎ形を考える前に、円そのものの2つの量を押さえておこう。半径 の円は、まわりの長さ(円周)が 、内側の面積が 。この2つが「まるごと」の基準になる。(パイ)は円周率で、だいたい 。円周も面積も半径だけで決まる、というのがまず大事なポイントだよ。
おうぎ形は、この円を中心から切り取ったひと切れ。切り口の2本の半径がひらいた角を「中心角」と呼ぶ。おうぎ形の曲がったふちが「弧」、まっすぐな2辺が半径だね。この単元は、円まるごとの量から、ひと切れぶんをどう取り出すかを学ぶ単元なんだ。
おうぎ形の考え方のすべては「割合」に集約される。1周は 。だから中心角が のおうぎ形は、円まるごとの の割合ぶんにあたる。たとえば中心角 なら で、円のちょうど3分の1のひと切れ、という具合だよ。
この割合さえ分かれば、弧の長さも面積も同じ理屈で出せる。弧の長さは「円周まるごと × 割合」で 、面積は「円の面積まるごと × 割合」で 。2つの公式に見えるけれど、正体はどちらも「まるごとに割合をかける」という同じ動作。だから別々に暗記するのではなく、「まるごとを求めて、割合をかける」の一手順として覚えるのがコツだよ。
おまけに、おうぎ形の面積は でも求められる。底辺が弧・高さが半径の三角形をイメージすると納得しやすい。弧の長さがすでに分かっているときは、こちらの式のほうが速いことも多いよ。
この「割合で切り取る」考え方は、この先どこでも顔を出す。円のまわりや面積を扱う場面はもちろん、後で学ぶ立体では、円すいの側面(展開すると、じつはおうぎ形になる)の計算にそのまま使う。円すいの表面積を求めるとき、側面のおうぎ形の中心角を「弧の長さと半径の割合」からたぐり寄せる、という場面がやってくるんだ。だから、おうぎ形は平面図形の1トピックにとどまらず、この先の学習でくり返し戻ってくる大事な足場だよ。まずは「まるごとを求めて割合をかける」の一手順を、体にしみ込ませておこう。
は「まわりの長さ」、 は「内側の面積」。半径を 乗するのは面積のほうだけ、というのがこんがらがりやすい。区別のコツは単位で考えること。長さは cm、面積は cm。面積は「2乗の世界」だから半径も2乗になる、とイメージしておくと取りちがえにくい。どちらの量を聞かれているのかを、まず問題文で確認しよう。
この単元の答えは や のように をつけたまま書くのがふつう。途中で を に置きかえて計算し始めると、数が大きくなってミスしやすいし、約分もしにくくなる。 は文字のように「そのまま」あつかって、最後まで残しておこう。約分は の部分でていねいにやると、式がすっきりするよ。
公式に入れるのは「半径 」。問題では直径で長さが与えられることもあり、そのまま公式に入れてしまうと答えが2倍(面積なら4倍)ずれる。直径は半径の2倍だから、直径が分かっているときはまず半分にして半径になおす、という一手間を忘れないこと。図に半径をはっきり書き込んでから公式に入れると、この取りちがえを防げるよ。中心角も、 からの割合として使うことをいつも意識しておこう。