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幾何編1

図形の移動のガイド

図形を、形も大きさも変えずに「位置だけ」動かす3つの方法。それが平行移動・回転移動・対称移動だよ。この「動かしても重なる = 合同」という体感が、次に学ぶ「図形と合同」の出発点になるよ。

この単元の全体像

動かし方は3種類

図形の移動には3つのタイプがある。

  • 平行移動は、向きを保ったまま、決まった方向へ決まった距離だけ「すべらせる」動き
  • 回転移動は、1つの点(回転の中心)を決めて、その点のまわりに図形を「回す」動き
  • 対称移動は、1本の直線(対称の軸)を折り目にして図形を「裏返す」動き

この3つが、平面での図形の動かし方の基本だよ。

3つに共通するいちばん大事な点は、どれも図形の形と大きさをまったく変えないこと。変わるのは位置(と、対称移動では向きの裏表)だけ。だから移動の前後で、対応する辺の長さも角の大きさも等しいまま保たれる。この「動かしても寸法は不変」という性質が、移動をあつかう上での土台になる。

「合同」への橋わたし

移動の前後で図形はぴったり重ね合わせられる。この「重ね合わせられる」という関係こそが、次の単元で学ぶ「合同」の正体なんだ。2つの図形が合同かどうかは、平行移動・回転・裏返しを組み合わせて一方をもう一方に重ねられるか、で決まる。だからこの単元は、合同を「動きのイメージ」で先取りしておく準備運動にあたる。

また、移動を通して「対応する点・対応する辺・対応する角」という見方に慣れておくのも大切。合同の証明では「どの頂点がどの頂点に対応するか」を正しくつかむことがすべての出発点になる。移動でその対応を目で追う経験を積んでおくと、証明で対応を書き間違えにくくなるよ。対称移動で軸を意識する感覚は、二等辺三角形や平行四辺形といった「対称な図形」の性質を読むときにも効いてくる。

3つの移動は、組み合わせて使うこともできる。たとえば平行移動と回転移動を続けて行ったり、2本の平行な軸で続けて対称移動すると、結果としてまとめて1回の平行移動になったりする。いくつ動かしても、その間ずっと形と大きさは保たれたまま。つまり最初の図形と最後の図形はやっぱり合同。「移動をどれだけ重ねても合同はくずれない」という感覚は、複雑な図形問題で「動かして重ねる」作戦を立てるときの支えになるよ。身のまわりでも、模様のくり返し(タイルや壁紙)は、この移動の組み合わせでできているんだ。

つまずきポイント

回転移動は「中心」と「角度」の両方が要る

回転移動を決めるには、回す中心の点と、回す角度(そして時計回りか反時計回りか)の両方が必要。中心が違えば、同じ角度だけ回しても図形の行き先はまったく変わる。「◯◯を中心に、何度、どちら回りに」というように、中心・角度・向きをセットで押さえよう。どの点を中心にしているのかを見落として、行き先を取りちがえるのがよくあるミスだよ。

平行移動と回転移動を見分ける

移動後の図形だけを見て「どの移動か」を答える問題では、平行移動と回転移動を取りちがえやすい。見分けのコツは「向き」。平行移動は図形の向きがまったく変わらない(全部の辺が元と同じ向き)。回転移動は向きが変わる。対応する辺どうしが平行のままなら平行移動、傾きが変わっていれば回転移動、とチェックしよう。

対称移動は「裏返る」ことを忘れない

対称移動だけは、図形が鏡に映したように「裏返る」。平行移動や回転移動では文字や図形の表裏が変わらないのに対して、対称移動では左右(または上下)が反転する。だから、頂点の並ぶ順番が時計回りだったものが反時計回りになる、といった変化が起きる。対応する点を結んだ線分が、対称の軸によって垂直に二等分される。この関係が対称移動の目印だよ。裏返しを見落とすと、対応する頂点を取りちがえてしまうので注意しよう。逆に、対応する点どうしを結んだ線をぜんぶ引いてみて、それらがすべて1本の直線で垂直に二等分されていれば、その直線が対称の軸。軸がどこか分からないときは、この「結んで垂直二等分」から軸をさがすと見つけやすいよ。

この単元のレッスン(動かして確かめる)

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