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数学C

複素数平面のガイド

複素数を、数直線ではなく「平面上の点」として描く単元。すると複素数の掛け算が「回転と拡大」というはっきりした図形の動きに見えてくる。数の計算と平面の変形が同じものになる、少し不思議で美しい世界だよ。

この単元の全体像

複素数を点で描く

複素数 a+bia+bi は、実部 aa を横、虚部 bb を縦にとった平面上の点 (a,b)(a, b) として描ける。これが複素数平面。原点からその点へ引いた矢印は、前に学んだベクトルそのものだから、複素数の足し算はベクトルの和とぴったり同じ動きになる。

この矢印には2つの大事な量がある。長さにあたる絶対値 z|z| と、実軸から測った角度にあたる偏角。z=a2+b2|z|=\sqrt{a^2+b^2} は三平方の定理そのもので、偏角は三角比で読み取れる。前に学んだ道具が、複素数を測るためにそのまま働いてくれるんだ。

掛け算は「回転と拡大」

複素数平面のいちばんの見せ場が、掛け算の意味。2つの複素数をかけると、絶対値どうしはかけ算され、偏角どうしは足し算される。つまり複素数をかけることは、平面を「その絶対値のぶん拡大し、その偏角のぶん回転させる」変形になっているんだ。

とくに ii は絶対値が 11 なので、ii をかけても大きさ(絶対値)は変わらず、偏角だけが 9090^\circ 増える、つまりちょうど直角の回転になる。数をかけただけで図形がくるっと回る。この「掛け算=回転と拡大」という見方が、複素数平面のすべての土台だよ。

極形式とド・モアブルの定理

「絶対値 rr と偏角 θ\theta」で複素数を表す書き方が極形式。z=r(cosθ+isinθ)z=r(\cos\theta+i\sin\theta) と書くと、さっきの「掛け算は回転と拡大」がそのまま式に現れる。座標での表し方が「位置」を、極形式が「回転量と伸び」を前面に出す表し方、と使い分けるといい。

この極形式から、nn 乗すると偏角が nn 倍になるというド・モアブルの定理が出てくる。何度もかけ算するかわりに、回転角をまとめて nn 倍すればいい。複雑に見える累乗が、回転の重ね合わせとしてすっきり計算できる。三角比とベクトルの合流点として、この単元の到達点になる考え方だよ。

つまずきポイント

掛け算は「偏角は足す、絶対値はかける」

複素数の掛け算で取りちがえやすいのが、絶対値と偏角の扱い方。絶対値どうしは「かけ算」、偏角どうしは「足し算」だよ。ここを両方かけたり両方足したりすると、回転の量がまるでずれてしまう。「回転(偏角)は重ねる=足す、伸び(絶対値)は倍々=かける」と、動きのイメージとセットで覚えよう。割り算なら偏角は引き算、絶対値は割り算、と逆向きになるのも同じ理屈だよ。

偏角には「どの範囲で測るか」がある

偏角は、実軸から反時計回りに測った角。ただし一周すれば同じ向きにもどるので、3030^\circ390390^\circ は同じ点を指す。答えを書くときは、00^\circ 以上 360360^\circ 未満(あるいは 180-180^\circ より大きく 180180^\circ 以下)など、決められた範囲におさめる必要がある。回転を足し引きしたあと、範囲からはみ出したら 360360^\circ を足し引きして調整しよう。また、点が第何象限にあるかで偏角の目安がつくので、計算した角がその象限と合っているかを図で確かめると、符号や範囲のミスに気づけるよ。

極形式は「cos+isin\cos+i\sin」の形をくずさない

ド・モアブルの定理を使うときは、複素数がきちんと r(cosθ+isinθ)r(\cos\theta+i\sin\theta) の極形式になっているかをまず確かめよう。cos\cos が先、isini\sin が後、あいだは足し算、そして絶対値 rr が外にくくり出されている、という形が守られていないと、偏角を nn 倍する操作がそのまま使えない。たとえば cosθisinθ\cos\theta-i\sin\theta の形のときは、cos(θ)+isin(θ)\cos(-\theta)+i\sin(-\theta) と直してから使う。与えられた複素数を極形式に直す最初のひと手間をていねいにやれば、あとは回転角を nn 倍するだけで累乗が計算できる。この単元は、複素数を「点・矢印・回転」として図で感じながら、極形式という式に落とす往復ができるようになると、ぐっと見通しがよくなるよ。

この単元のレッスン(動かして確かめる)

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