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複素数平面

複素数の積(回転と拡大)

複素数を掛けると、偏角は足し算・絶対値は掛け算になる(zz を回して拡大する)。

主張

22 つの複素数 z1,z2z_1,z_2 を極形式で z1=r1(cos⁡α+isin⁡α)z_1=r_1(\cos\alpha+i\sin\alpha)、z2=r2(cos⁡β+isin⁡β)z_2=r_2(\cos\beta+i\sin\beta) と書くと、積は z1z2=r1r2{cos⁡(α+β)+isin⁡(α+β)}z_1z_2=r_1r_2\{\cos(\alpha+\beta)+i\sin(\alpha+\beta)\}。つまり絶対値は掛け算 ∣z1z2∣=∣z1∣∣z2∣|z_1z_2|=|z_1||z_2|、偏角は足し算 arg⁡(z1z2)=arg⁡z1+arg⁡z2\arg(z_1z_2)=\arg z_1+\arg z_2 になるんだ。複素数平面では「z2z_2 を掛ける」=「z1z_1 を原点まわりに arg⁡z2\arg z_2 だけ回し、∣z2∣|z_2| 倍に拡大する」という操作だね。

∣z1z2∣=∣z1∣ ∣z2∣,arg⁡(z1z2)=arg⁡z1+arg⁡z2|z_1z_2|=|z_1|\,|z_2|,\quad \arg(z_1z_2)=\arg z_1+\arg z_2
45°zw = z·c
zz に c=1+ic=1+i(2, 45∘\sqrt2,\ 45^\circ)を掛けると、w=z⋅cw=z\cdot c は偏角が 45∘45^\circ ふえて絶対値が 2\sqrt2 倍になる。

成り立つ条件

z1,z2z_1,z_2 をそれぞれ極形式で書くこと(00 でなければ必ず書ける)。偏角は 360∘360^\circ の差を同一視する(足した結果が 360∘360^\circ を超えたら一周ぶん引いてよい)。

証明(なぜ成り立つ?)

22 つを極形式で書いて積を展開し、出てきた実部・虚部を加法定理で cos⁡(α+β)\cos(\alpha+\beta)・sin⁡(α+β)\sin(\alpha+\beta) にまとめる。

  1. 1

    極形式で z1=r1(cos⁡α+isin⁡α)z_1=r_1(\cos\alpha+i\sin\alpha)、z2=r2(cos⁡β+isin⁡β)z_2=r_2(\cos\beta+i\sin\beta) と書く。

  2. 2

    積を展開する。i2=−1i^2=-1 に注意して実部と虚部に分けると、実部に cos⁡αcos⁡β−sin⁡αsin⁡β\cos\alpha\cos\beta-\sin\alpha\sin\beta、虚部に sin⁡αcos⁡β+cos⁡αsin⁡β\sin\alpha\cos\beta+\cos\alpha\sin\beta が出てくる。

    z1z2=r1r2{(cos⁡αcos⁡β−sin⁡αsin⁡β)+i(sin⁡αcos⁡β+cos⁡αsin⁡β)}z_1z_2=r_1r_2\{(\cos\alpha\cos\beta-\sin\alpha\sin\beta)+i(\sin\alpha\cos\beta+\cos\alpha\sin\beta)\}
  3. 3

    この 22 つはちょうど加法定理。cos⁡(α+β)\cos(\alpha+\beta) と sin⁡(α+β)\sin(\alpha+\beta) にまとまって、絶対値は r1r2r_1r_2、偏角は α+β\alpha+\beta の複素数になる。これで掛け算の「偏角は足し算・絶対値は掛け算」が確かめられた。

    z1z2=r1r2{cos⁡(α+β)+isin⁡(α+β)}z_1z_2=r_1r_2\{\cos(\alpha+\beta)+i\sin(\alpha+\beta)\}

逆

割り算は逆向き。z1z2\dfrac{z_1}{z_2} は偏角を引いて絶対値を割るよ。∣z1z2∣=∣z1∣∣z2∣\left|\dfrac{z_1}{z_2}\right|=\dfrac{|z_1|}{|z_2|}、arg⁡z1z2=arg⁡z1−arg⁡z2\arg\dfrac{z_1}{z_2}=\arg z_1-\arg z_2。掛け算が「回して拡大」なら、割り算は「逆に回して縮小」だね。

補足・つまずきポイント

特別な例がわかりやすい。ii を掛けると(∣i∣=1, arg⁡i=90∘|i|=1,\ \arg i=90^\circ)長さはそのままで 90∘90^\circ 回転。1+i1+i を掛けると(2, 45∘\sqrt2,\ 45^\circ)45∘45^\circ 回して 2\sqrt2 倍。この「掛ける=偏角を足す」を同じ数で nn 回くり返したものがド・モアブルの定理だよ。証明は加法定理がそのまま効く。

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見て確かめる

言葉で読んだら、動くアニメと自分の手で確かめてみよう。

使いどころ

この定理が、実際の問題でどう効くのかを見てみよう。

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