数学II
三角比で覚えた や を、角度を止めずにぐるぐる回しつづけると、波の形のグラフになる。それが三角関数だよ。単位円を回る点の高さをそのまま横に並べたのが 。前に学んだ一次関数・二次関数のグラフに、規則正しくくり返す「波」という新しい仲間が加わる単元なんだ。
三角関数のグラフは、単位円の上をぐるぐる回る点の「高さ」( 座標)を、角度の順に横へ並べたもの。点が上に来れば波は山、下に来れば谷。前に学んだ三角比・単位円が、そのまま波の正体なんだ。 周まわると同じ高さにもどるので、グラフは同じ形をくり返す。この「くり返し」を周期というよ。
横軸の角度は、度ではなくラジアン(弧度法)で測る。 周が 、これをラジアンでは と書く。だから は ごとに同じ波をくり返す。円を回る運動と、横に伸びる波が、同じものの2つの姿だと見えてくるのがこの単元のおもしろさだよ。
波の形は、 の と で調整できる。 は振幅、つまり山の高さ。 なら まで、 なら まで振れる。 は横方向の細かさで、 を大きくするほど同じ幅にたくさんの波がつめこまれる。アプリでは2本のスライダーで、波が縦に伸び縮みし、横に密になっていくのを見られる。
のグラフは、 を横に ()ずらしただけの、同じ形の波。 と は別々の波ではなく、スタート地点がずれた兄弟なんだ。振幅・周期・ずれ、この3つで波の見た目がすべて決まる、とつかんでおこう。
と を同じ角度で足すと、どうなると思う? じつはガタガタにならず、また1本のなめらかな波になる。たとえば は という、振幅 で位相が ずれた1つの波にまとまる。これが三角関数の合成だよ。
振幅が になるのは、、つまり2つの波を直角三角形の2辺と見たときの斜辺(三平方の定理)だからだ。 というずれは加法定理から出てくる。三角比・三平方といった前に学んだ道具が、波を1つにまとめる場面でつながる。合成を使うと、三角関数の最大・最小がぐっと求めやすくなるよ。
の を大きくすると、直感では「周期も長くなりそう」と感じてしまう。でも実際は逆で、 を大きくするほど波は横に縮んで、同じ幅にたくさん詰まる=周期は短くなる。 と周期は反比例の関係なんだ。 なら周期は半分になり、同じ区間に波が倍入る。「 は横の細かさで、大きいほど密になる」と、増える向きと縮む向きを取りちがえないようにしよう。
三角比までは角度を度( など)で測っていたのに、三角関数のグラフでは横軸がラジアン( や )になる。ここで「 って何?」と固まってしまいがち。ラジアンは角度を「円の弧の長さ」で測る新しいものさしで、、 と対応する。、 のように、よく使う角の度とラジアンの対応をいくつか覚えておくと、グラフの目盛りが読めるようになる。度とラジアンは同じ角度の別の呼び方、と押さえよう。
波のグラフを見て「なんとなく複雑」で止まってしまうのは、いくつもの変化が同時に起きているから。でも波を決めているのは、振幅(山の高さ)・周期(くり返す間隔)・位相(横のずれ)の3つだけだ。まず山がどこまで届くかで振幅を、同じ形が何ごとにくり返すかで周期を、どこから波が始まるかでずれを、と1つずつ読み分ければ、どんな三角関数のグラフも骨組みがつかめる。合成で と を1つにまとめる話も、結局は「振幅と位相はいくつか」を求める作業。3つの要素に分けて見る習慣が、この単元を通じていちばんの武器になるよ。