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数学II

三角関数のグラフのガイド

三角比で覚えた sin⁡\sin や cos⁡\cos を、角度を止めずにぐるぐる回しつづけると、波の形のグラフになる。それが三角関数だよ。単位円を回る点の高さをそのまま横に並べたのが y=sin⁡xy=\sin x。前に学んだ一次関数・二次関数のグラフに、規則正しくくり返す「波」という新しい仲間が加わる単元なんだ。

この単元の全体像

回る点の高さを並べると波になる

三角関数のグラフは、単位円の上をぐるぐる回る点の「高さ」(yy 座標)を、角度の順に横へ並べたもの。点が上に来れば波は山、下に来れば谷。前に学んだ三角比・単位円が、そのまま波の正体なんだ。11 周まわると同じ高さにもどるので、グラフは同じ形をくり返す。この「くり返し」を周期というよ。

横軸の角度は、度ではなくラジアン(弧度法)で測る。11 周が 360∘360^\circ、これをラジアンでは 2π2\pi と書く。だから y=sin⁡xy=\sin x は 2π2\pi ごとに同じ波をくり返す。円を回る運動と、横に伸びる波が、同じものの2つの姿だと見えてくるのがこの単元のおもしろさだよ。

振幅と周期でグラフを変える

波の形は、y=asin⁡(bx)y=a\sin(bx) の aa と bb で調整できる。aa は振幅、つまり山の高さ。a=2a=2 なら ±2\pm2 まで、a=3a=3 なら ±3\pm3 まで振れる。bb は横方向の細かさで、bb を大きくするほど同じ幅にたくさんの波がつめこまれる。アプリでは2本のスライダーで、波が縦に伸び縮みし、横に密になっていくのを見られる。

cos⁡\cos のグラフは、sin⁡\sin を横に 90∘90^\circ (π2\dfrac{\pi}{2})ずらしただけの、同じ形の波。sin⁡\sin と cos⁡\cos は別々の波ではなく、スタート地点がずれた兄弟なんだ。振幅・周期・ずれ、この3つで波の見た目がすべて決まる、とつかんでおこう。

2つの波は1つにまとめられる

sin⁡\sin と cos⁡\cos を同じ角度で足すと、どうなると思う? じつはガタガタにならず、また1本のなめらかな波になる。たとえば sin⁡θ+cos⁡θ\sin\theta+\cos\theta は 2 sin⁡(θ+45∘)\sqrt{2}\,\sin(\theta+45^\circ) という、振幅 2\sqrt{2} で位相が 45∘45^\circ ずれた1つの波にまとまる。これが三角関数の合成だよ。

振幅が 2\sqrt{2} になるのは、12+12\sqrt{1^2+1^2}、つまり2つの波を直角三角形の2辺と見たときの斜辺(三平方の定理)だからだ。45∘45^\circ というずれは加法定理から出てくる。三角比・三平方といった前に学んだ道具が、波を1つにまとめる場面でつながる。合成を使うと、三角関数の最大・最小がぐっと求めやすくなるよ。

つまずきポイント

bb を大きくすると周期は「短く」なる

y=asin⁡(bx)y=a\sin(bx) の bb を大きくすると、直感では「周期も長くなりそう」と感じてしまう。でも実際は逆で、bb を大きくするほど波は横に縮んで、同じ幅にたくさん詰まる=周期は短くなる。bb と周期は反比例の関係なんだ。b=2b=2 なら周期は半分になり、同じ区間に波が倍入る。「bb は横の細かさで、大きいほど密になる」と、増える向きと縮む向きを取りちがえないようにしよう。

角度はラジアンで測る

三角比までは角度を度(30∘30^\circ など)で測っていたのに、三角関数のグラフでは横軸がラジアン(π\pi や 2π2\pi)になる。ここで「π\pi って何?」と固まってしまいがち。ラジアンは角度を「円の弧の長さ」で測る新しいものさしで、180∘=π180^\circ=\pi、360∘=2π360^\circ=2\pi と対応する。45∘=π445^\circ=\dfrac{\pi}{4}、90∘=π290^\circ=\dfrac{\pi}{2} のように、よく使う角の度とラジアンの対応をいくつか覚えておくと、グラフの目盛りが読めるようになる。度とラジアンは同じ角度の別の呼び方、と押さえよう。

振幅・周期・ずれを分けて読む

波のグラフを見て「なんとなく複雑」で止まってしまうのは、いくつもの変化が同時に起きているから。でも波を決めているのは、振幅(山の高さ)・周期(くり返す間隔)・位相(横のずれ)の3つだけだ。まず山がどこまで届くかで振幅を、同じ形が何ごとにくり返すかで周期を、どこから波が始まるかでずれを、と1つずつ読み分ければ、どんな三角関数のグラフも骨組みがつかめる。合成で sin⁡\sin と cos⁡\cos を1つにまとめる話も、結局は「振幅と位相はいくつか」を求める作業。3つの要素に分けて見る習慣が、この単元を通じていちばんの武器になるよ。

この単元のレッスン(動かして確かめる)

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