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確率・統計(中学)

場合の数・樹形図のガイド

「全部で何通り?」を数えたいとき、頭の中だけで数えると必ずどこかで抜けたり重なったりする。樹形図は、枝を1段ずつ開いて『起こりうることを全部、もれなく重なりなく』並べる道具。数え上げの型を身につければ、確率の計算にまっすぐつながるよ。

この単元の全体像

枝を開いて、もれなく重なりなく数える

コインを3回投げると、表と裏の出方は全部で何通り? こういう『場合の数』を数えるのに強いのが樹形図だよ。根もとから1回目の結果で枝を分け、その枝先からさらに2回目の枝を分け…と、段ごとに枝を開いていく。いちばん先の葉の数が、そのまま場合の数になるんだ。

樹形図のいちばんの値打ちは、『もれなく・重なりなく』数えられること。頭の中で数えると『あれ、これもう数えたっけ?』と混乱するけれど、枝を機械的に開いていけば、同じ場合を二度数えることも、数え落とすこともない。数え上げを『気合い』から『型のある作業』に変えてくれるのが樹形図なんだ。

枝の数のかけ算=積の法則

樹形図をよく見ると、毎回同じ数だけ枝が分かれるとき、場合の数はかけ算で出せることに気づく。コイン3回なら、1回目2通り・2回目2通り・3回目2通りで 2×2×2=82\times2\times2=8 通り。1段ごとに枝が2倍に増えていくから、かけ算になるんだ。これを積の法則というよ。

この『段ごとにかけていく』見方が身につくと、樹形図を最後まで全部かかなくても、場合の数がぱっと計算できるようになる。たとえば『大小2つのさいころの目の出方』なら 6×6=366\times6=36 通り。樹形図は数え方の『しくみ』を目で見せてくれて、積の法則はそれを『計算』に変えてくれる。この2つはワンセットで覚えよう。

確率の計算へまっすぐつながる

前の単元で『確率=長い目で見た割合』とつかんだよね。でも、いちいち何千回も試さなくても、起こりうる場合を全部数え上げれば確率は計算できる。『あることが起こる場合の数 ÷ 起こりうる全部の場合の数』。この分母と分子を数えるのが、樹形図の出番。だから場合の数は、確率を計算するための土台なんだ。

さらに高校では、この数え上げを順列・組合せという公式に整理して、もっと大きな数もあつかえるようにしていく。でも公式の根っこにあるのは、いつでも樹形図の『枝を開いてもれなく数える』という考え方。ここで数え上げの型をしっかり体に入れておくと、この先の確率がずっと安心して進められるよ。

つまずきポイント

順番を区別するかどうかであいまいになる

数え上げでいちばん迷うのが、『順番を区別するか』。たとえば2人を選ぶとき、AとBを選ぶのと、BとAを選ぶのを別々に数えるのか、同じ1通りとするのか。コインを1回目・2回目と投げる話なら『表→裏』と『裏→表』は別の出方だけど、『2人組を作る』話なら AB と BA は同じ組だよね。何を数えているのかで区別のしかたが変わるんだ。

だからまず『順番に意味があるか(投げる順・並べる順)』を自分で確かめるのが先。樹形図は順番を区別する数え方が得意なので、区別しない場合は、数えたあとに重なった分をどう調整するかまで意識しよう。

1段の枝の数を数えまちがえる

積の法則で 2×2×22\times2\times2 とかけるのは、『各段の枝の数』。ここで、枝の数と葉(いちばん先)の数を混同すると計算が狂う。かけ算するのはあくまで『1段ぶんで何本に分かれるか』であって、途中までの合計ではないよ。1回目で枝先は2本、2回目で4本、3回目で8本…と、葉の数はかけ算した結果のほう。『各段いくつに分かれる?』だけを取り出してかける、と押さえよう。

全部かこうとして手が止まる

樹形図は『もれなく重なりなく』が持ち味だけど、場合の数が多いと全部かくのは大変。8通りくらいなら全部かいてもいいけれど、36通り・100通りとなると、全部かくのは現実的じゃない。そこで役立つのが積の法則で、途中まで樹形図でしくみをつかんだら、あとはかけ算に切りかえる、というのが賢いやり方だよ。

コツは、『最初の1〜2段だけ樹形図でかいて、枝の分かれ方の規則をつかむ』こと。規則さえ見えれば、残りはかけ算で一気に出せる。全部かき切ることが目的ではなく、数え方のしくみをつかむことが目的なんだ。そう思うと、樹形図がぐっと使いやすくなるよ。

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