数学A
ふつうの確率が『全体の中でどれくらいか』を見るなら、条件付き確率は『ある条件を知った後の世界で、どれくらいか』を見る確率。全体をぐっと絞り込んでから、そのなかでの割合を考える。情報が1つ増えると確率がどう変わるかを追う単元だよ。
ふつうの確率は、全体を1(=100%)として『そのうち何割か』を求めるよね。条件付き確率が違うのは、途中で新しい情報が手に入る点。たとえば『傘をさしている人だ』と分かったら、もう全員が対象ではなく、傘をさした人だけが新しい全体になる。この『全体の入れかえ』が条件付き確率の心臓部だよ。
だから条件付き確率は『◯という条件のもとで、△である確率』という形で読む。記号では と書き、たてぼう の右が『新しい全体(条件)』、左が『そのなかで注目すること』。世界をいったん条件で絞ってから、そのなかの割合を出す、という2段構えなんだ。
この単元では、全体を四角に集めて『雨/晴』と『傘/ささない』のように2つの見方でマス目に分ける。すると条件付き確率は、あるマスの組だけを新しい全体とみなして、そのなかの1マスが占める割合として見えてくる。たとえば傘をさした人が45人、そのうち雨だった人が30人なら、。全体100人ではなく、傘の45人で割るのがポイントだよ。
この『どちらで割るか』が条件付き確率のすべて。全体で割ればふつうの確率、条件で絞った部分で割れば条件付き確率。同じ人数の表から、割る相手を変えるだけで別の確率が出てくるんだ。
条件付き確率は『情報を得た後に確率をどう更新するか』の考え方で、高校の確率のヤマ場のひとつ。ここで身につく『全体を絞ってから割合を見る』感覚は、原因をさかのぼって推測する確率(ベイズの考え方)や、統計的な判断の土台になる。順列・組合せで数え上げをおぼえた上で、いよいよ『情報つきの確率』に踏み込む単元なんだ。
身近な例だと、検査で『陽性』と出たときに本当に病気である確率、といった話がまさに条件付き確率。『陽性』という情報で全体を絞ってから、そのなかで病気の人の割合を見る。直感だと高そうに感じても、計算すると意外と低い、ということが起きる。情報が増えても、それをどの全体に対する割合として使うかで結論が変わる、という怖さとおもしろさがこの単元にはあるんだ。
と を同じものだと思ってしまうのが、最大のつまずき。この2つはまったく別の確率だよ。 は『傘をさした人のなかで雨だった割合』、 は『雨の日のなかで傘をさした割合』。割る相手(分母=新しい全体)が違うから、答えも違う。たてぼう の右がわが『絞り込む条件=分母』だと決めて、まず分母を確定させてから分子を数えるクセをつけよう。
条件付き確率なのに、うっかり全体の人数で割ってしまうミス。たとえば『傘をさした人が雨だった確率』を、傘の45人ではなく全体の100人で割ると、それは条件付き確率ではなく『傘かつ雨』というただの割合になってしまう。条件がついたら分母も条件に合わせて絞る、が鉄則。『◯のもとで』と言われたら、分母は◯に入れかわる、と手が動くようにしよう。
『雨で傘をさす確率(雨かつ傘)』と『傘の人が雨である確率(傘のもとで雨)』は別ものだよ。前者は全体100人のうち両方あてはまる30人の割合、後者は傘の45人のうち雨の30人の割合。分母が全体か、条件で絞った部分か、が違う。日本語だと似て聞こえるので、『かつ』は全体で割る・『のもとで(条件付き)』は条件で割る、と分母で区別すると取りちがえないよ。