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数学A

反復試行・二項分布のガイド

同じことを何回もくり返すと、『何回起こるか』にはきれいな確率の山ができる。コインを4回投げて表が何回出るか、そのパターンを組合せで数えるのが反復試行、そこにできる山が二項分布だよ。数え上げと確率がひとつになる単元なんだ。

この単元の全体像

くり返しの回数を確率で見る単元

同じ試行(コイン投げ、当たりくじ、など)を、毎回条件を変えずに何回もくり返すのが反復試行。このとき知りたいのは『nn 回のうち、あることがちょうど kk 回起こる確率』だよ。コインを4回投げて表がちょうど2回出る確率、みたいな問いだ。回数ごとの確率を棒グラフにすると、真ん中が高い山の形になる。これが二項分布なんだ。

山のどの棒の高さも、順列・組合せで学んだ数え上げから決まる。『nn 回のうちどの kk 回で起こるか』の選び方が組合せ nCk{}_{n}\mathrm{C}_{k}、そこに毎回の確率をかけ合わせる。前の単元の『選ぶ=組合せ』が、そのまま確率の道具として効いてくるよ。

パスカルの三角形とつながっている

コインを4回投げたとき、表が 0,1,2,3,40,1,2,3,4 回になる場合の数は 1,4,6,4,11,4,6,4,1。この並びは、実はパスカルの三角形の段そのものなんだ。表が kk 回になる枝分かれの本数が、ちょうど組合せ 4Ck{}_{4}\mathrm{C}_{k} になっている。だから真ん中(表2回)がいちばん本数が多く、山のてっぺんになる。

確率が半々でないとき、たとえば表が出やすいイカサマコインだと、山は表が多い側へずるっとずれる。組合せで決まる『本数の山』に、出やすさをかけ合わせると、山の位置や高さが変わる、という仕組みだよ。

期待値・正規分布への入り口

二項分布では、平均で何回起こるか(期待値)が『回数 ×\times 1回の確率』でスッと出る。コインを4回投げて表が出る確率が pp なら、期待値は 4×p4\times p。この『山の中心はどこか』という見方が、次の単元『確率分布と期待値』へまっすぐつながる。さらに回数をうんと増やすと、二項分布の山はなめらかな正規分布の山に近づいていく。反復試行は、確率の分布を学ぶ入り口なんだ。

身近な例だと、当たりの出やすさが決まっているくじを何回も引いて『何回当たるか』、テストで4択問題を勘で答えて『何問正解するか』も、みんな反復試行として同じ形で計算できる。同じことをくり返す場面はいたるところにあるから、この数え方が使えると確率の見通しがぐっとよくなるよ。

つまずきポイント

組合せ nCk{}_{n}\mathrm{C}_{k} をかけ忘れる

『表が2回出る確率』を、1つの並びの確率だけで済ませてしまうミスがとても多いよ。たとえば『表・表・裏・裏』という並び1つが起こる確率は、表2回と裏2回のぶんをかけて (12)4=116(\frac{1}{2})^4=\frac{1}{16}。でもこれは特定の1並びの確率でしかない。表が2回出る並びは『どの2回が表か』で何通りもある(4回中なら6通り)。だから 4C2=6{}_{4}\mathrm{C}_{2}=6 をかけて、6×116=6166\times\frac{1}{16}=\frac{6}{16} と全パターンぶんを足し合わせる必要があるんだ。『1並びの確率』と『組合せの本数』の両方がそろって初めて答えになる、と覚えよう。

起こる確率と起こらない確率を混ぜてしまう

nn 回中 kk 回起こるなら、残りの nkn-k 回は『起こらない』。だから確率のかけ算は、起こる確率を kk 回ぶんと、起こらない確率を nkn-k 回ぶん、両方かけないといけない。表2回なら『表の確率を2回、裏の確率を2回』かける。ここで裏のぶんを忘れると値が合わなくなる。回数の割りふり(何回が表で、何回が裏か)を先に決めてから、それぞれの確率をかける、という順で組み立てると抜けにくいよ。

『ちょうど kk 回』と『kk 回以上』を混同する

問題が『少なくとも1回』『2回以上』と言っているのに、『ちょうどその回数』の確率だけで答えてしまうミス。『以上』のときは、あてはまる回数ぶんの確率をぜんぶ足す必要があるよ。とくに『少なくとも1回』は、『1回も起こらない』確率を全体の1から引くと速い(余事象)。まず問題が『ちょうど』なのか『以上・以下』なのかを読み分けて、足すのか引くのかを決めよう。ここを読み飛ばすと、正しく計算しても問いに合わない答えになるんだ。

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