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数学A

約数と倍数のガイド

整数だけの世界を深くのぞく「整数の性質」の入口。約数と倍数は、その第一歩だよ。1212 個のタイルを長方形にきれいに並べかえられるかどうか。あまりが出ない並べ方こそが約数だ。割り算の暗記ではなく、「ぴったり敷きつめられるか」という図で、約数・倍数・素因数分解を一本につなげてつかむ単元なんだ。

この単元の全体像

「ぴったり並ぶ」=約数

1212 個のタイルを長方形に並べてみる。1×121\times122×62\times63×43\times4。どれもあまりが出ずにぴったり敷きつめられる。このときの縦・横の数が 1212 の約数だ。逆に 55 列に並べようとすると 22 個はみ出す。あまりが出る 55 は約数ではない。約数を「割り切れる数」と言葉で覚える前に、「あまりなく並ぶ数」と図でつかむのが、この単元のねらいだよ。

1212 の約数を全部集めると 1,2,3,4,6,121,2,3,4,6,12。同じ 1212 個のタイルを、並べ方を変えて眺めているだけで、約数がすべて縦横の数として現れる。割り算を1つずつ試すより、「どんな長方形が作れるか」で約数を探すほうが、意味が体に残るんだ。

約数・倍数・素因数分解はひとつながり

同じタイルを逆から見ると、「121233 の倍数」とも言える。33 個ずつのまとまりが 44 つで 1212、というわけだ。約数と倍数は、12=3×412=3\times4 という同じかけ算を、どちらの数を主役にして見るかの違いにすぎない。33 を主役にすれば「121233 の倍数」、1212 を主役にすれば「331212 の約数」だね。

さらに、これ以上ばらせないところまで分けると 12=2×2×312=2\times2\times3。これが素因数分解だ。約数・倍数・素因数分解は、別々に覚える3つの話ではなく、「1212 をどんなかけ算で見るか」という同じ見方の3つの顔。この先の互除法・合同式・nn 進法など、整数の単元すべての土台になる考え方だよ。

つまずきポイント

約数と倍数を取りちがえない

約数と倍数は言葉が似ていて、どちらがどちらか混ざりやすい。12=3×412=3\times4 を思い出すと整理できる。331212 を作る「部品」だから 1212 の約数、121233 を何倍かした「大きいほう」だから 33 の倍数だ。「約数は元の数より小さい部品、倍数は元の数を何倍かした大きい数」と、大小の向きで覚えると取りちがえにくい。図でいえば、約数は長方形の縦横の数、倍数はそのまとまりを並べた総数、と対応しているよ。

「割り切れる」を敷きつめで実感する

約数を、割り算の答えを暗記するだけの作業にしてしまうと、意味が結びつかず、少し数が大きくなると手が止まる。「割り切れる」というのは、タイルをあまりなくぴったり並べきれる、ということ。あまりが出るというのは、長方形にしたときに端がはみ出す、ということだ。この「敷きつめられるか・はみ出すか」の絵を頭に持っておくと、約数かどうかの判断が、暗算の暗記ではなく図のイメージでできるようになる。整数の性質はこの先も「あまり」が主役になる場面が多いので、あまりの有無を敷きつめで感じる習慣を、ここでつけておこう。

約数は「ペアで見つかる」

約数を 11 から順にしらみつぶしに探すと、途中で見落としが出やすい。じつは約数は必ずペアで現れる。1212 なら 1×121\times122×62\times63×43\times4 と、長方形の縦と横がいつも対になっている。だから小さいほうの約数を見つければ、12÷12\div(その約数)で相棒の約数も同時に手に入る。11 を見つけたら 121222 を見つけたら 6633 を見つけたら 44、というふうにね。この「ペアで探す」見方をすると、探す範囲は真ん中あたりまでで済むし、約数を数え落とすことも減る。長方形の縦横がいつもペアだ、というタイルの絵が、そのまま約数を漏れなく見つけるコツになっているんだ。ちなみに、3636 のような数では 6×66\times6 と縦横が同じになり、ペアの相手が自分自身になる。こういう平方数だけ、約数の個数が奇数になる。これも「約数はペア」という見方から自然に見えてくる性質だよ。

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