数学A
整数だけの世界を深くのぞく「整数の性質」の入口。約数と倍数は、その第一歩だよ。 個のタイルを長方形にきれいに並べかえられるかどうか。あまりが出ない並べ方こそが約数だ。割り算の暗記ではなく、「ぴったり敷きつめられるか」という図で、約数・倍数・素因数分解を一本につなげてつかむ単元なんだ。
個のタイルを長方形に並べてみる。、、。どれもあまりが出ずにぴったり敷きつめられる。このときの縦・横の数が の約数だ。逆に 列に並べようとすると 個はみ出す。あまりが出る は約数ではない。約数を「割り切れる数」と言葉で覚える前に、「あまりなく並ぶ数」と図でつかむのが、この単元のねらいだよ。
の約数を全部集めると 。同じ 個のタイルを、並べ方を変えて眺めているだけで、約数がすべて縦横の数として現れる。割り算を1つずつ試すより、「どんな長方形が作れるか」で約数を探すほうが、意味が体に残るんだ。
同じタイルを逆から見ると、「 は の倍数」とも言える。 個ずつのまとまりが つで 、というわけだ。約数と倍数は、 という同じかけ算を、どちらの数を主役にして見るかの違いにすぎない。 を主役にすれば「 は の倍数」、 を主役にすれば「 は の約数」だね。
さらに、これ以上ばらせないところまで分けると 。これが素因数分解だ。約数・倍数・素因数分解は、別々に覚える3つの話ではなく、「 をどんなかけ算で見るか」という同じ見方の3つの顔。この先の互除法・合同式・ 進法など、整数の単元すべての土台になる考え方だよ。
約数と倍数は言葉が似ていて、どちらがどちらか混ざりやすい。 を思い出すと整理できる。 は を作る「部品」だから の約数、 は を何倍かした「大きいほう」だから の倍数だ。「約数は元の数より小さい部品、倍数は元の数を何倍かした大きい数」と、大小の向きで覚えると取りちがえにくい。図でいえば、約数は長方形の縦横の数、倍数はそのまとまりを並べた総数、と対応しているよ。
約数を、割り算の答えを暗記するだけの作業にしてしまうと、意味が結びつかず、少し数が大きくなると手が止まる。「割り切れる」というのは、タイルをあまりなくぴったり並べきれる、ということ。あまりが出るというのは、長方形にしたときに端がはみ出す、ということだ。この「敷きつめられるか・はみ出すか」の絵を頭に持っておくと、約数かどうかの判断が、暗算の暗記ではなく図のイメージでできるようになる。整数の性質はこの先も「あまり」が主役になる場面が多いので、あまりの有無を敷きつめで感じる習慣を、ここでつけておこう。
約数を から順にしらみつぶしに探すと、途中で見落としが出やすい。じつは約数は必ずペアで現れる。 なら 、、 と、長方形の縦と横がいつも対になっている。だから小さいほうの約数を見つければ、(その約数)で相棒の約数も同時に手に入る。 を見つけたら 、 を見つけたら 、 を見つけたら 、というふうにね。この「ペアで探す」見方をすると、探す範囲は真ん中あたりまでで済むし、約数を数え落とすことも減る。長方形の縦横がいつもペアだ、というタイルの絵が、そのまま約数を漏れなく見つけるコツになっているんだ。ちなみに、 のような数では と縦横が同じになり、ペアの相手が自分自身になる。こういう平方数だけ、約数の個数が奇数になる。これも「約数はペア」という見方から自然に見えてくる性質だよ。