数学A
整数を「ある数で割ったあまり」で仲間分けする、それが合同式の考え方だよ。時計が 進むと同じ位置に戻るように、整数もある数だけ進むと同じあまりに戻る。この「あまりの周期」に注目すると、大きな数の計算やくり返しのパターンが、ぐっと見通しよく扱えるようになる単元なんだ。
から までの整数を、 で割ったあまりで色分けしてみる。あまり は 、あまり は 、あまり は 。どのグループも つおきに、規則正しく並んでいる。 で割ったあまりは の 種類しかないから、整数はこの つの仲間のどれかに必ず入る。
この「あまりが同じ数どうし」を、「 を法として合同」といい、 のように書く。前に学んだ約数・倍数では「割り切れるか(あまり か)」に注目したけれど、合同式ではあまりが 以外の場合もふくめて、あまりそのもので整数を分類する。整数を「あまりのグループ」でまとめて見る、新しいものさしだよ。
同じあまりの数が つおきに並ぶ、ということは、 進むたびに同じあまりに戻る、ということ。これが「あまりの周期」だ。時計の針が 進むと同じ時刻を指すのと、まったく同じしくみだね。法が なら周期は 、法が なら周期は 、というわけだ。
この周期性が分かると、たとえば「大きな数を割ったあまり」や「くり返しの何番目か」を、全部計算しなくても周期のパターンから読み取れる。あまりの世界では、数が周期でぐるぐる回っている。この見方が、整数のくり返しやパターンをあつかう問題で、強力な武器になるよ。
合同式の記号 は、はじめは何を表しているのか掴みにくい。これは「 と を で割ったあまりが等しい」という意味だ。(イコール)ではなく を使うのは、値そのものが等しいのではなく「あまりが同じ仲間」だと言いたいから。たとえば は、 も も で割ればあまり 、という意味。記号におびえず、「あまりが同じ、と言っているだけ」と読みかえよう。
あまりで整数を分ける、と言われても、抽象的で何の役に立つのか見えにくい。数直線の上で同じあまりの数に色をつけてみると、そのグループが等間隔にきれいに並ぶのが分かる。あまり の数は と、法の数だけ間をあけて規則正しく続く。この規則性こそが合同式の値打ちで、「同じあまりの数は同じふるまいをする」から、 つ調べれば同じ仲間すべてに言えることが増える。ばらばらに見えた整数が、あまりというものさしで「周期的に並んだグループ」に整理される。この見え方の変化を、色分けした数直線でつかんでおくと、合同式を使う場面でその便利さが実感できるよ。
「 を 回かけた数を で割ったあまりは?」のような問題を、まともに を 回かけてから割ろうとすると、数が巨大になって手に負えない。合同式のうれしさは、こういうとき「あまりだけ」を追いかければいい、という点にある。 は で割るとあまり だから、 を何回かけても、あまりの世界では をかけているのと同じ。だからあまりはずっと のまま、と一瞬で分かる。もとの数がどれだけ大きくても、あまりに注目すれば周期でくり返すから、小さな数の計算に置きかえられる。「大きな数をそのまま計算しない、あまりだけを持ち歩く」。これが合同式のいちばんの使いどころで、周期性が計算を劇的に軽くしてくれるんだ。