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数学B

確率分布と期待値のガイド

確率分布は『どの値がどれくらいの確率で出るか』の一覧、期待値はその分布の『平均的にどのあたりに出るか』を表す1つの数。確率の棒を重さだと思うと、ちょうどつり合う点が期待値になる。何回もくり返したときの平均のねらいどころを教えてくれる単元だよ。

この単元の全体像

確率分布=値と確率の対応表

サイコロを振ると 1166 のどれかが出て、それぞれの確率は 16\frac{1}{6}。このように『どの値が、どの確率で出るか』をぜんぶ書き出したものが確率分布だよ。棒グラフにすると、棒の高さがその値の出やすさ。反復試行で見た二項分布も、確率分布の仲間なんだ。

確率分布があると、そのデータの『くせ』が丸ごと見える。でも一覧のままだと『結局どのあたりが中心か』が言いにくい。そこで分布を1つの代表値にまとめたのが期待値。分布ぜんたいを、たった1つの『平均的な値』で言い表すのがこの単元のねらいだよ。

期待値=値 ×\times 確率をぜんぶ足したもの

期待値は『それぞれの値 ×\times その確率』を、すべての値について足し合わせて求める。サイコロなら 1×16+2×16++6×16=3.51\times\frac{1}{6}+2\times\frac{1}{6}+\dots+6\times\frac{1}{6}=3.5。出やすい値ほど強く効くように、確率で重みをつけて平均している、というわけだ。ただの平均(全部足して個数で割る)と似ているけれど、確率で重みづけするのがポイントだよ。

イメージでつかむなら、確率の棒を『重さ』だと思うといい。全部同じ重さなら真ん中でつり合うけれど、ある値が出やすい(=棒が重い)と、つり合う点はその重い方へ動く。この『つり合う点』が期待値だよ。だから『平均的に出る値』へ、出やすい値が分布を引っぱるんだ。

どこで役に立つ?

期待値は『何回もくり返したときに、平均でどれくらいになるか』の見積もり。くじや賭けが得か損か、ゲームで平均何点とれるか、といった判断の土台になる。この先『正規分布』では分布の山の中心を平均(期待値)で、広がりを標準偏差で表すし、『確率漸化式』では確率が時間とともにどう動くかを追う。分布を1つの数に集約する、という発想はこの先ずっと使う道具なんだ。

たとえば『300円で1回引けて、当たると1000円もらえるくじ』が得かどうかは、もらえる金額の期待値を出して300円と比べれば分かる。期待値が300円より小さければ、続けるほど平均では損をする、というわけだ。1回ごとの結果はバラバラでも、たくさんくり返すと平均は期待値に近づいていく。だから期待値は『長い目で見たときの損得』を先に見通すための、とても実用的なものさしなんだ。

つまずきポイント

期待値を『いちばん出やすい値』だと思う

期待値は『最頻値(いちばん出やすい値)』とは別ものだよ。サイコロの期待値は 3.53.5 だけど、3.53.5 という目は存在しない。期待値は『何回もくり返したときの平均のねらいどころ』であって、実際に必ず出る値でも、いちばん出やすい値でもない。つり合う点は棒と棒のあいだにくることも多い、と思っておこう。『平均だから実在しない値になることもある』というのは、ふつうの平均と同じ性質なんだ。

確率で重みづけせず、ただ平均してしまう

11 から 66 の平均だから 3.53.5』とだけ考えると、たまたまサイコロでは正解だけど、確率がかたよっているときに崩れるよ。期待値はあくまで『値 ×\times 確率』の合計。イカサマさいころのように出やすさが違うと、単純平均と期待値はズレる。出やすい値に近い方へ期待値が引っぱられるからだ。どんな分布でも『値 ×\times 確率をぜんぶ足す』という定義に立ち返れば、まちがえないよ。

確率の合計が1になっていないまま計算する

期待値を出す前に、確率分布の確率をぜんぶ足すと必ず 11 になっているはず。ここが 11 でないと、分布のどこかに数え落としや重複があるサインだよ。とくに問題で確率を自分で求めるとき、11 にならないのに気づかず期待値まで進むと、答えもずれてしまう。『まず確率の合計が 11 か確認 → それから期待値』という順で進めると、途中のミスを早く見つけられるんだ。

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