確率漸化式
「いま各状態にいる確率 そこから移る確率」を全経路たし上げて、次の時刻の確率を作る漸化式。 型に整えれば、数列の漸化式と同じように一般項や収束先(定常確率)が求まる。
毎回の試行で状態(部屋A・Bなど)を行き来する問題では、「 回目に状態Aにいる確率 」を直接たどるのは大変だよね。そこで、 回先の確率 を、いまの確率 から作る漸化式を立てる。次にAにいる経路は「いまAにいて()Aにとどまる」または「いまBにいて()Aへ移る」。この排反な経路の確率を、乗法で積・加法でたし合わせればいい。例えばAにとどまるのもBからAへ来るのも確率がそれぞれ なら、。こうして の形に整えれば、あとは数列の漸化式と同じ。特性方程式から一般項が求まり、 の収束先(定常確率)も出るんだ。
(i) どの時刻でも状態はちょうど つ(A と B は排反で、)。だから B にいる確率を と置きかえられる。(ii) 移る確率(遷移確率)が時刻によらず一定であること。この つがそろうと、 を だけの式で書ける。前提は数列の漸化式( 型の解き方)と、確率の加法・乗法だよ。
「次にAにいる」経路を、いまの状態ごとに分けて確率の加法・乗法で数え上げる。閉じた漸化式に整え、特性方程式で一般項と収束先を求める。
次に A にいるのは、 つの排反な経路のどちらか。「いま A にいて()A にとどまる()」か、「いま B にいて()A へ移る()」。同時には起きないので、別々に考えられるね。
各経路の確率は「いまそこにいる確率 そこから移る確率」=乗法で積。排反な 経路だから加法でたし合わせて、 ができる。これを整理すると だけの閉じた漸化式になるよ。
これは 型。特性方程式 を解くと (=動かなくなる確率=定常確率)。両辺から を引くと、ずれ が公比 の等比数列に化ける。
等比数列の一般項を当てれば が求まる。公比 は より小さいから、 を大きくすると第 項は へ。最初 A に偏って()いても、確率は半々 に収束する、というわけだね。
立てた漸化式が 型なら、特性方程式 の解 が「もう変わらない確率」=定常確率で、これがそのまま の収束先になる( のとき)。上の例なら から 。逆に言えば、最初にAに偏っていても()、行き来をくり返すうちに差がならされて半々()へ近づく、と漸化式の形だけから読み取れるんだ。
つまずきの定番は、B にいる確率を別の文字のまま残してしまうこと。状態が つで排反なら必ず に置きかえて、 だけの式にする(そうしないと漸化式が閉じない)。もうひとつ、立式は「次にAにいる」を主語にして、そこへ来る全経路(とどまる+移ってくる)をもれなく・重複なく数えること。図(状態遷移図)の矢印を 本ずつ拾うと安全だよ。 状態以上だと連立の漸化式になるが、考え方は同じ。最後に確率の和が のままか、()で初期値に戻るかを検算しよう。
言葉で読んだら、動くアニメと自分の手で確かめてみよう。
この定理が、実際の問題でどう効くのかを見てみよう。