数学I
二次関数のグラフと二次方程式を、はっきり結びつける単元。放物線が 軸と何回交わるか、それを (判別式)というたった1つの数の符号だけで、方程式を解かずに読み取れるようにする。関数と方程式が同じものの表と裏だと見えてくるよ。
出発点は、放物線 が 軸と交わる点。 軸の上では だから、交点の 座標はそのまま という二次方程式の解になっている。前に学んだ二次方程式を「解く」ことと、グラフが 軸を「横切る」ことは、じつは同じことを別の角度から見ているんだ。
だから交点が2個なら実数解2個、交わらなければ実数解なし、と行き来できる。方程式の答えを図の交点として「見る」見方が、この単元のいちばんの土台になるよ。
交点の数は、じつは方程式を最後まで解かなくても分かる。 という値の符号を見るだけでいい。 なら2個、 ならちょうど1個、 なら0個。放物線が 軸のどれくらい上や下にいるか、を1つの数に凝縮したものが判別式なんだ。
アプリでは ・ を動かすと の値がその場で変わり、交点(coral の点)が現れたり消えたりする。 を大きくすると2つの交点が離れ、 に近づけると2つがくっつき、負にすると交点そのものが消える。数と図が連動して動くのを見ると、符号1つで個数が決まる理由が体でつかめるよ。
3つの場合のうち、いちばん大事なのが 。このとき放物線は 軸を横切らず、そっと1点で接する。方程式の言葉でいえば重解(同じ解が重なった状態)で、交点の言葉でいえば2つの交点がぴったり重なった瞬間だ。「・重解・接する」は同じ出来事の3つの呼び名だと思っておこう。
この「ちょうど接する条件」は、この先とても役に立つ。高次方程式で実数解の個数を数えるとき、不等式の表す領域で境界を考えるとき、いつも「 軸と何回交わるか」の発想が効いてくる。関数の世界の入口として、しっかり手になじませたい単元だよ。
つまずきやすいのは、交点の数を知るために毎回まじめに方程式を解いてしまうこと。判別式の手柄は、解かなくても符号だけで個数が読めることにある。 を計算して、あとは正か・ゼロか・負か、それだけ見れば答えが出る。解の値そのものが要らない問題では、 の符号を見て終わり、と割り切ろう。逆に、解の値まで必要なら解の公式で解く。「個数だけ知りたいのか、値まで知りたいのか」で、判別式で済ませるか公式まで進むかを使い分けるのがコツだよ。
放物線を上下に動かす ばかりに気を取られると、 を変えても交点の数が変わることを見落としやすい。 は にも にも効いていて、 を変えれば放物線が横にずれて 軸との交わり方が変わる。「上下だけが効く」と思い込まず、式の中で と の両方が を動かしていることを確かめよう。アプリで のスライダーだけを動かしても交点が現れたり消えたりするのを見れば、 が判別式に効いていることが目でも納得できるよ。
で交点が無くなると、「解がどこかへ消えた」と感じてしまいがち。でも正しくは、実数の範囲に解が「無い」だけで、方程式が壊れたわけではない。図でいえば、放物線が 軸の上(または下)に浮いていて一度も交わらない状態だ。この「実数では見えない解」は、この先の複素数(虚数)を学ぶと、ちゃんと数として姿を現す。いまは「実数解が0個」と正確に言い、消滅ではなく不在なのだ、と押さえておこう。