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数学B

正規分布のガイド

たくさんの人の身長やテストの点を集めると、平均のまわりに左右対称の『山』ができることが多い。この山の形が正規分布だよ。平均 μ\mu と標準偏差 σ\sigma のたった2つで山の位置と広がりが決まる、自然界でいちばんよく出てくる分布なんだ。

この単元の全体像

平均のまわりにできる山を扱う単元

身長、テストの点、測定の誤差。たくさんのデータを集めると、平均の近くにいちばん多く、平均から離れるほど少なくなる『山』の形になることがとても多い。この山を数式で表したのが正規分布だよ。山のてっぺんが平均 μ\mu で、左右がきれいに対称になっているのが特徴なんだ。

これまでの確率分布はサイコロのように『とびとびの値』だったけれど、正規分布は身長のように『連続した値』の分布。だから確率は棒の高さではなく、曲線の下の『面積』で表す。『6060 点から 7070 点のあいだに入る確率』は、その区間の曲線の下の面積、という見方に変わるよ。

μ\mu で位置、σ\sigma で広がりが決まる

正規分布の山は、平均 μ\mu と標準偏差 σ\sigma の2つだけで決まる。μ\mu は山のてっぺんの位置(中心をどこに置くか)、σ\sigma は山の広がり具合。σ\sigma を大きくすると山は低く横に広がり、σ\sigma を小さくすると山は高く細くとがる。前の単元で学んだ『標準偏差=ちらばり』が、そのまま山の形を決めているんだ。

おもしろいのは、形がどう変わっても曲線の下の面積(確率の合計)はいつも 11 のまま、ということ。広がると低く、とがると高くなるのは、面積を 11 に保つためのつり合いなんだ。散らばりが変わっても『全体で 100%100\%』は変わらない、という確率のルールが形にあらわれているよ。

±σ\pm\sigma に約68%という便利な目安

正規分布には、覚えておくと得な目安がある。平均 ±σ\pm\sigma の範囲に、全体の約 68%68\% が入るんだ。しかもこれは σ\sigma がいくつであっても変わらない。山が広がろうがとがろうが、『平均から標準偏差1つぶんの範囲に約7割』はいつも成り立つ。だから平均と標準偏差さえ分かれば、『だいたいどのくらいの人がこの範囲にいるか』がすぐ見積もれる。偏差値や統計的な推測の土台になる、とても大事な性質だよ。

テストの偏差値も、この正規分布の考え方から来ている。平均を偏差値50、平均 ±σ\pm\sigma を偏差値40〜60に対応させているので、偏差値60より上にいるのは全体の約16%、というふうに割合が読める。平均と標準偏差の2つだけで『集団の中での位置』を語れるのが、正規分布のいちばんの強みなんだ。

つまずきポイント

確率を高さで読もうとする

とびとびの分布では棒の高さが確率だったけれど、正規分布は連続した分布なので、確率は『高さ』ではなく『面積』で読むよ。ある1点ちょうどの確率を考えても面積は0になってしまうので、正規分布では『6060 点以上』『50506060 点』のように、必ず幅のある範囲で確率を考える。棒グラフの感覚のまま高さを読もうとすると詰まるので、『範囲の面積=確率』へ頭を切りかえよう。

σ\sigma が変わると約68%も変わると思う

σ\sigma を大きくしたら ±σ\pm\sigma に入る割合も増える、と思ってしまう人がいるけれど、そうではないよ。σ\sigma を大きくすると範囲(±σ\pm\sigma の幅)も同じだけ広がるので、入る割合は約 68%68\% のまま変わらない。範囲そのものが σ\sigma に連動して伸び縮みするのがポイント。『±σ\pm\sigma に約68%』は σ\sigma の大小によらない、正規分布に共通のものさしなんだ。

何でも正規分布だと思い込む

正規分布は『よく出てくる』けれど『いつでも成り立つ』わけではないよ。片側に大きく偏ったデータや、山が2つあるデータは正規分布では表せない。まず散布のようす(ヒストグラムの形)を見て、左右対称の山になっているかを確かめてから正規分布を当てはめる、という順番が大切。形を確かめずに『平均と標準偏差があるから正規分布』と決めつけると、±σ\pm\sigma に約68%のような目安も成り立たなくなるんだ。

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