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確率・統計(中学)

箱ひげ図・四分位範囲のガイド

代表値がデータの「中心」を教えてくれるなら、箱ひげ図はデータの「散らばり(広がり)」を教えてくれる図。たった5つの場所だけで、データがどこからどこまで、どのくらいのかたまりで広がっているかをひと目でつかめる。だから複数のデータを見比べるのがすごく得意なんだ。

この単元の全体像

5つの場所でデータの散らばりを見る

箱ひげ図は、データを『最小値・第1四分位数・中央値・第3四分位数・最大値』の5つの数(五数要約)であらわす図だよ。データを小さい順に並べて4等分したときの、区切りの場所がこの5つ。ひげの両はしが最小値と最大値、箱の両はしが第1・第3四分位数、箱の中の太い線が中央値なんだ。

ポイントは、箱の中にはデータのちょうど『まん中あたりの半分』が入っているということ。だから箱が短ければデータはぎゅっと集まっていて、箱が長ければ散らばっている、と読める。一人ひとりの値は消えるけれど、そのかわり散らばりの様子が形として一気に見えるのが、この図の強みだよ。

四分位範囲=まん中の半分がおさまるはば

箱のはば、つまり『第3四分位数 − 第1四分位数』を四分位範囲というよ。これはデータの中央に集まった半分ぶんが、どのくらいの幅に広がっているかを表す数。散らばりの大きさを『1つの数』で言えるのが便利なところだ。

似た言葉に『範囲(最大 − 最小)』もあるけれど、こちらは両はしの2人だけで決まるので、極端な1人がいると大きくなりすぎる。四分位範囲は両はしを切り落として、まん中の半分だけを見るので、極端な値にふりまわされにくい。前の単元で『平均は外れ値に引っぱられる』と学んだよね。四分位範囲は、その弱点をさけて散らばりを測る賢いものさしなんだ。

複数のデータを見比べる道具

箱ひげ図がいちばん活躍するのは、いくつかのデータを並べて比べるとき。たとえば1組と2組のテストを箱ひげ図で並べれば、『どちらが点が高めか(中央値の位置)』『どちらが散らばっているか(箱の長さ)』が、ヒストグラムを2つ見比べるよりずっと速くつかめる。だから入試や資料でもよく使われるんだ。

この先、高校では散らばりを分散・標準偏差という『別のものさし』で、もっと細かく数にしていく。箱ひげ図で『散らばりを目で見てつかむ』感覚を持っておくと、その数字が何を測っているのかがイメージしやすくなるよ。中学のデータの活用の、ひとつの到達点がこの箱ひげ図なんだ。

つまずきポイント

箱が長い=データが多い、ではない

いちばん多いカン違いが、箱やひげの長さを『人数(データの多さ)』だと思ってしまうこと。箱ひげ図の長さは人数ではなく『値の広がり(散らばり)』を表すよ。箱が長いのは『まん中の半分の人の点数がバラけている』という意味で、『そこに人がたくさんいる』という意味ではない。じつは四分位数は、データを人数で4等分する区切り。だから最小〜第1、第1〜中央値、中央値〜第3、第3〜最大の4つの区間には、どれも約4分の1ずつの人が入っている(箱の中=第1〜第3は、そのうち2つぶんで約半分)。長さが違っても人数はほぼ同じ。長さは人数ではなく散らばり、と切りかえよう。

四分位数を求める前に並べ替えを忘れる

第1四分位数・中央値・第3四分位数は、どれも『データを小さい順に並べたときの、位置で決まる値』。だから、まず必ず小さい順に並べ替えるのが最初の一手だよ。並べ替えずにもとの順のまま区切ってしまうと、まったく別の数を四分位数だと思ってしまう。中央値のときと同じで、『位置で決まる値は、まず並べ替え』が合言葉。

並べ替えたら、まず全体のまん中(中央値)を決め、次にその下半分・上半分それぞれのまん中を第1・第3四分位数とする、という順で求めると迷いにくいよ。

中央値と平均を同じものだと思う

箱の中の線は『中央値』であって、平均ではないよ。中央値は順番のまん中で決まる値だから、箱のまん中にくるとはかぎらない。データが片側に寄っていれば、中央値の線は箱の左寄り・右寄りにずれる。線が箱の中央にないのは間違いではなく、データが片寄っているサインなんだ。

前の単元で『中央値は外れ値に引っぱられない』と学んだよね。箱ひげ図が中央値を軸にしているのは、まさにその安定した性質を生かして、散らばりを公平に見せるため。中央値と平均の違いを思い出しながら読むと、箱の中の線の位置から『データの片寄り』まで読み取れるようになるよ。

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