確率・統計(中学)
たくさんのデータを「たった1つの数」で言い表したい。そのための数が代表値だよ。でも代表のさせ方は1つじゃない。平均・中央値・最頻値の3つは、同じデータでも違う場所を指すことがある。3つの性格の違いを『見て』つかむのがこの単元だ。
前の単元(ヒストグラム)では、データを散らばりの形として見た。でも「このクラスはだいたい何点?」と一言で答えたい場面もあるよね。そのために、データ全体を1つの数で代表させるのが代表値。代表のさせ方には平均・中央値・最頻値の3つがあって、それぞれ考え方が違うんだ。
平均は、全員ぶんをいったん集めてならし、1人ぶんに分け直した数。中央値は、小さい順に並べたときちょうどまん中にくる数。最頻値は、いちばん多く出てくる数。同じデータでも、この3つは別々の場所を指すことがある。だから『代表値=平均』と思い込まず、3つを使い分けられることが大事なんだ。
この単元のいちばんのポイントが、3つの性格の違い。とくに平均は、1人だけ飛びぬけて大きい(または小さい)値があると、そちらへスーッと引っぱられる。全員をならして計算するから、極端な1人の影響を全体でかぶってしまうんだ。いっぽう中央値と最頻値は『順番』や『個数』で決まるので、外れた1人がいても、まん中や山の位置はほとんど動かない。
だから『平均より上/下』が『まん中より上/下』と一致しないことがある。お金や時間のように、一部の大きな値がまじりやすいデータでは、平均だけを見ると実感とズレることも。3つのうちどれで語るかで、データの印象そのものが変わる。ここが代表値のいちばん面白くて、いちばん大事なところだよ。
代表値は『データの中心はどこか』を答える道具。次の箱ひげ図では、中央値を軸にして『散らばり(ちらばりの広さ)』まで見ていく。中央値がしっかりわかっていると、箱ひげ図の真ん中の線がすっと読めるよ。さらに、平均は高校で習う分散・標準偏差(平均からのズレ)の出発点にもなる。
ニュースや資料で『平均年収』『中央値』という言葉を見たとき、どちらで語られているかで受け取り方が変わる。代表値の使い分けは、テストのためだけでなく、世の中の数字にだまされないための力でもあるんだ。3つの性格を『見て』覚えておくと、この先ずっと役に立つよ。
中央値は『データを小さい順に並べたとき、順番がちょうどまん中の値』。ここで『範囲のまん中(最大と最小の平均)』とごっちゃにする子が多い。中央値は値そのものの位置ではなく『順番の位置』で決まるよ。まず必ず小さい順に並べ替えてから、まん中の人を探すこと。並べ替えをとばすと、まったく違う数を中央値だと思ってしまう。
データの個数が奇数なら、まん中はぴったり1人(9人なら5番目)。偶数のときは、まん中が2人になるので、その2人の平均をとる、というルールもあわせて覚えておこう。
代表値と聞くと平均をまず思い浮かべがちだけど、平均が『まん中の実感』を表すとはかぎらない。1人だけ極端に多い(少ない)データでは、平均はその1人に引っぱられて、大多数の感覚からズレる。そういうデータでは、中央値のほうが『ふつうの人』をうまく言い表すことも多いんだ。『平均が高い=みんな高い』とは限らない、と覚えておこう。
どの代表値を使うのがふさわしいかは、データの散らばり方しだい。極端な値がまじっていないか、山が1つか2つか、それを見るためにも、前の単元のヒストグラムで『形を見る』クセが効いてくるよ。
最頻値は『いちばん多く出てくる値』のこと。ここで、いちばん多い『人数(度数)のほう』を答えてしまうミスがよくある。たとえば『2冊読んだ人が4人でいちばん多い』なら、最頻値は 4 ではなく 2(冊)だよ。聞かれているのは『何が』いちばん多いか、であって『何人』ではない。度数がいちばん大きい場所の、横じくの値を答える、と押さえておこう。