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幾何編2

平行四辺形のガイド

向かい合う2組の辺が平行な四角形。それが平行四辺形だよ。この「平行」というたった1つの約束から、対辺・対角・対角線について4つの性質が芋づる式に導かれる。証明問題の主役級の図形だよ。

この単元の全体像

定義は「2組の対辺が平行」だけ

平行四辺形の出発点は、向かい合う2組の辺(対辺)がそれぞれ平行、というシンプルな定義。ここで最初にはっきりさせておきたいのが、「平行」だけが約束で、辺の長さが等しいことや角が等しいことは「最初から与えられているのではなく、これから導く性質」だということ。定義と性質を分けて考えるのが、この単元を正しく理解する第一歩だよ。

その平行という定義から、対辺・対角・対角線についての性質が芋づる式に導かれる。

  • 対辺の長さは等しい
  • 対角(向かい合う角)は等しい
  • 対角線は互いの中点で交わる

これら3つはどれも「平行 → 錯角が等しい → 三角形の合同」という流れで説明できる。前に学んだ「平行線の錯角」と「図形の合同」が、ここで合わさって働くんだ。あわせて、となり合う角どうしは合わせて 180180^\circ になる。こちらは三角形の合同ではなく、平行線の同旁内角(横断線の同じ側にある内角)がもとになっている性質だよ。

性質と「逆」を行き来する単元

平行四辺形のいちばんの見どころは、性質を「逆向き」にも使えること。「平行四辺形ならこの性質が成り立つ」だけでなく、「この性質が1つ成り立てば、その四角形は平行四辺形だと言える」という逆も成り立つ。たとえば、対角線が互いの中点で交わる四角形は平行四辺形、というふうに。証明問題では、この「性質 ⇄ 平行四辺形」の行き来を何度も使うことになる。

この行き来ができると、応用の幅がぐっと広がる。長方形・ひし形・正方形は、じつは平行四辺形の性質をぜんぶ受けついだ「特別な平行四辺形」。だから平行四辺形でしっかり性質と証明の型を身につけておくと、その特別な仲間たちの性質も、追加の条件をのせるだけで理解できるようになる。二等辺三角形で練習した「合同で性質を示す」流れの、実戦応用編にあたる単元だよ。

四角形の仲間を、条件が少ないものから多いものへと並べて見るのもおすすめ。ただの四角形に「2組の対辺が平行」を足すと平行四辺形、そこに「角が直角」を足すと長方形、「4辺が等しい」を足すとひし形、その両方を満たすと正方形になる。こんなふうに、条件を1つずつ重ねるほど特別な形になっていく。この「仲間の地図」が頭に入っていると、「長方形の対角線が等しいのはなぜ?」といった問いも、平行四辺形の性質に新しい条件を1つ足して考えられるようになるよ。

つまずきポイント

「定義」と「性質」を混同しない

平行四辺形を証明で使うとき、最初から根拠にしてよいのは定義の「2組の対辺が平行」だけ。「対辺が等しいから」を、まだ示していない段階で理由に使ってしまうと、結論を前提にする循環論法になりやすい。とくに「対辺は等しいことを証明せよ」という問題では、その「等しい」を途中で使えないことに注意。何が定義で何がこれから示す性質なのかを、答案の最初にはっきりさせよう。

「平行四辺形になる条件」を1つ選んで使う

ある四角形が平行四辺形だと「示したい」ときは、平行四辺形になるための条件(2組の対辺が平行/2組の対辺が等しい/2組の対角が等しい/対角線が互いの中点で交わる/1組の対辺が平行でかつ等しい)のうち、証明しやすい1つを選んで、それが成り立つことだけを示せばよい。全部を示す必要はない。どの条件なら手持ちの情報から導けそうか、を見きわめるのがポイントだよ。

対辺・対角の「向かい合う」相手を取りちがえない

性質はすべて「向かい合う」辺・角についてのもの。となり合う辺やとなり合う角ではない。図が傾いていると、どの辺とどの辺が向かい合っているか分かりにくくなる。対辺は「1つの辺と、それと交わらないもう1つの辺」、対角は「1つの頂点と、対角線でつながる向かいの頂点の角」と押さえよう。ちなみに「となり合う」角どうしは、等しいのではなく合わせて 180180^\circ。この「向かい合う=等しい/となり合う=合わせて 180180^\circ」の区別を、平行線の単元と同じ感覚で押さえておくと迷わないよ。

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