確率・統計(中学)
たくさんの数字がずらっと並んでいても、そのままでは「どんなデータか」は見えてこない。ヒストグラムは、データを区切って棒の高さにする図。散らばりの「山の形」がひと目で見えるようになるのが、いちばんの手柄だよ。
30人ぶんのテストの点数のように、数字がたくさんあると、そのまま眺めても山なのか平らなのかがつかめない。そこで「0〜20点」「20〜40点」…のように、いくつかの区間に区切る。この区間を階級というよ。そして、それぞれの階級に何人入ったか(度数)を数えて、その人数を棒の高さにする。これがヒストグラムなんだ。
棒が高い階級ほど、そこにたくさんの人が集まっているということ。だから棒の並びをながめれば、「点数はまん中に集まっているのか」「散らばっているのか」が、数字を1つずつ見なくても形として見えてくる。データを『量の一覧』から『散らばりの形』に翻訳する道具、それがヒストグラムだよ。
見た目は棒グラフとそっくりだけれど、役目は違う。棒グラフは「りんご・みかん・ばなな」のように別々のものの数を比べる図で、棒の間はすき間があく。ヒストグラムは、点数のように連続した数を階級で区切ったものだから、棒と棒はすき間なくくっつけて並べる。横じくが『区切られた数直線』になっているのがポイントなんだ。
この『すき間なく並ぶ』ことが、山の形をなめらかに見せてくれる。棒の高さを全部たすと、必ずデータの個数の合計(今回なら30人)にもどるのも大事な性質。合計が合うかを確かめると、数え落としのチェックにもなるよ。
ヒストグラムで「散らばりの形が見える」ようになったら、次は『そのデータをひとつの数で代表させたい』という話に進む。それが次の単元の平均・中央値・最頻値(代表値)だよ。じつはヒストグラムのいちばん高い階級は、最頻値がふくまれる場所そのもの。ここで山の形を見ておくと、代表値が『山のどこを指しているか』として腑に落ちる。
さらにその先、箱ひげ図では散らばりを5つの場所でとらえ、確率では相対度数(割合)へと話がつながっていく。データの活用という大きな流れの、いちばん最初の入り口がこのヒストグラム。ここで『データは形で見る』という感覚を持っておくと、この先ずっと効いてくるよ。
いちばん多いカン違いが、棒の高さを点数だと思ってしまうこと。棒の高さは点数ではなく、その階級に入った『人数(度数)』だよ。「40〜60点の棒がいちばん高い」は「40〜60点をとった人がいちばん多い」という意味で、「40〜60点が高得点」という意味ではない。横じくが点数、縦じくが人数、と役割をはっきり分けておこう。困ったら『この棒は何人ぶん?』と自分に問い直すといい。
同じデータでも、階級のはばを20点にするか10点にするかで、山の見え方はけっこう変わる。はばを広くとれば山はなめらかでざっくり、せまくとれば細かいデコボコが見えてくる。どちらが正しいというより、『どのくらいの粗さで見たいか』で選ぶものなんだ。ヒストグラムの形を語るときは、階級のはばがいくつかも一緒に意識しておくと、印象にだまされにくくなるよ。
「20〜40点」と「40〜60点」があるとき、ちょうど40点の人はどちらの階級に入れるの?と迷う子が多い。これはルールを先に決めておく問題で、ふつうは『40点は 40〜60 の階級に入れる(以上・未満で区切る)』と統一する。あいまいなまま数えると、境目の人が二重に数えられたり抜けたりして、棒の高さの合計がデータの個数と合わなくなる。
だから数え終わったら、必ず『棒の高さの合計 = データの個数』になっているかを確かめよう。今回なら 。合計が人数とぴったり合えば、境目の処理も数え落としもなかった証拠。この一手間が、統計の正確さを支える地味だけど大事なクセになるよ。