数学II
曲線の「その一瞬の傾き」を求めるのが微分だよ。まっすぐな直線なら傾きは一目でわかるけれど、曲がった線の傾きは場所ごとに違う。そこで前に学んだ極限を使って、2点を限りなく近づけた先の傾き=接線の傾きをつかまえる。傾きの符号を読めば、グラフの山や谷まで見つけられるようになる、解析の中心の単元なんだ。
曲線の上の1点での傾きを、いきなり求めるのは難しい。そこでまず、その点ともう1点を結ぶ直線(割線)の傾きを考える。傾きは「高さの差÷横の差」で、これは2点間の「平均の傾き」だ。そして、もう1点をだんだん近づけていくと、割線はぐるりと向きを変えて、ついにはその点でそっと触れる接線になる。
アプリでは、 の上でもう1点を と寄せていくと、割線の傾きが と、接線の傾き に吸い寄せられる。前に学んだ極限が、ここで「2点を限りなく近づける」という形で効いているんだ。この接線の傾きを微分係数と呼ぶよ。
接線の傾きが分かると、グラフがのぼっているか下っているかが数で言える。傾きがプラスなら増加(のぼり)、マイナスなら減少(くだり)、 ならちょうど折り返しだ。曲線の上を接線をすべらせて符号の変化を追うと、 のように、のぼり→山→くだり→谷→のぼり、と対応しているのが見える。
傾きが になる点が、山(極大)と谷(極小)=極値だ。 なら、傾き を解いて 、そこが山と谷になる。この符号の並びを表に整理したものが増減表で、微分を使えば、グラフを描く前にどこが山・谷かを先に言い当てられるようになるよ。
接線の傾きは、言いかえれば「 が少し動いたとき がどれだけ変わるか」、つまり変化の速さだ。傾きが大きいほど、そこでは が急に変わっている。だから微分は、グラフの形を調べるだけでなく、ものごとの「変わりぐあい」を数でとらえる道具でもある。
たとえば動くものの位置を時間の関数と見れば、その傾き(微分)は速さになる。前に学んだ極限を使って一点での傾きをつかまえられるようになったことで、「今この瞬間、どれくらいの速さで変わっているか」が計算できる。これが、微分がいろいろな場面で使われる理由なんだ。まずはグラフの増減で、傾き=変化の速さという感覚を育てよう。
「傾き」と言われたとき、2点間の平均の傾き(割線)なのか、1点での傾き(接線)なのかがあいまいだと混乱する。割線の傾きは「2点の間ならしていくつ上がったか」、接線の傾きは「その一点でどれだけの急さか」。微分が求めているのは後者、接線の傾きだ。そして接線は、割線の2点を限りなく近づけた極限として初めて手に入る。「平均の傾き→2点を近づける→その点の傾き」という道すじを、飛ばさずにたどろう。
傾きが になる山(極大)や谷(極小)を、そのままグラフ全体の最大・最小だと思い込むのは危ない。極大・極小は、あくまでその近くで一番高い/低いという局所的な山谷にすぎない。三次関数のように、山より右のほうがもっと高く上がっていくことはいくらでもある。「極値=その周りでの折り返し」であって、全体の最大最小はグラフの端まで見て別に判断する必要がある、と分けて考えよう。とくに範囲が決められた問題では、端の値と極値を見比べるのを忘れずに。
微分では、接線の傾き・変化の速さ・微分係数と、いろいろな言葉が出てくる。これらは別々の概念ではなく、同じものを違う角度から呼んでいるだけだ。接線の傾きは図での見え方、変化の速さは「 が少し動いたとき がどれだけ変わるか」という意味、微分係数はその値を指す言葉。言い方が変わっても中身は1つ、と結びつけておくと、問題文でどの言葉が出てきても同じ計算に落とせる。この「3つの言葉は同じもの」という感覚が、微分を使いこなす第一歩だよ。