定理辞典📖 定理辞典

微分・接線の傾き

関数の増減と極値(導関数の符号)

接線の傾き=導関数 f(x)f'(x) の符号がグラフの上り下りそのもの。f(x)>0f'(x)>0 で増加、f(x)<0f'(x)<0 で減少、符号が変わる境目(f(x)=0f'(x)=0)が山(極大)・谷(極小)=極値。

主張

導関数 f(x)f'(x) は「その点での接線の傾き」だったね。接線が右上がり(傾きプラス)ならグラフは増えていて、右下がり(傾きマイナス)なら減っている。つまり f(x)f'(x) の符号が、そのままグラフの上り下りを教えてくれるんだ。f(x)>0f'(x)>0 の区間で f(x)f(x) は増加、f(x)<0f'(x)<0 の区間で減少。そして増加から減少へ折り返す山のてっぺん(極大)と、減少から増加へ折り返す谷の底(極小)では、接線が水平になって f(x)=0f'(x)=0。この山と谷をまとめて極値というよ。f(x)f'(x) の符号の並び(+0+\to0\to- なら極大、0+-\to0\to+ なら極小)を表に整理したものが増減表で、これがあればグラフの形(どこで上がり、どこが山・谷か)がひと目でわかる。

f(x)>0  増加,f(x)<0  減少x=a で極値  f(a)=0(かつ f の符号がそこで変わる)\begin{gathered}f'(x)>0\ \Rightarrow\ \text{増加},\qquad f'(x)<0\ \Rightarrow\ \text{減少}\\[4pt]x=a\ \text{で極値}\ \Rightarrow\ f'(a)=0\quad(\text{かつ }f'\text{ の符号がそこで変わる})\end{gathered}
(−1, 2)(1, −2)
山(極大)と谷(極小)では接線が水平=傾き 00。導関数の符号 +0+\to0\to-0+-\to0\to+ の境目が極値だよ。

成り立つ条件

ff が考える区間で微分可能であること(なめらかにつながっている)。微分可能な関数では「x=ax=a で極値 f(a)=0\Rightarrow f'(a)=0」が必要条件として成り立つ。前提は微分係数(接線の傾き)で、これは極限から定まる。なお区間の端での最大・最小は f=0f'=0 でなくても起きるので、極値(なめらかな山・谷)と区間の最大最小は分けて考えるよ。

なぜそう決まる?

導関数 f(x)f'(x) が接線の傾きであることに立ち返り、傾きの符号がグラフの上り下りに一致すること、折り返しでは傾きが 00 を通ることを順に確かめる。

  1. 1

    接線の傾き f(x)f'(x) がプラスのところは、その点でグラフが右上がり。少し右へ動けば高さが増える、つまり f(x)f(x) は増加している。傾きがプラスの区間は、まるごと「のぼり坂」だよ。

    f(x)>0 の区間  f(x) は増加f'(x)>0\ \text{の区間}\ \Longrightarrow\ f(x)\ \text{は増加}
  2. 2

    反対に f(x)f'(x) がマイナスのところは右下がり=「くだり坂」で、f(x)f(x) は減少。符号が読めれば、グラフのどこが上りでどこが下りかが、計算なしで見分けられるね。

    f(x)<0 の区間  f(x) は減少f'(x)<0\ \text{の区間}\ \Longrightarrow\ f(x)\ \text{は減少}
  3. 3

    のぼり(++)からくだり(-)へ切り替わるには、傾きはいったん 00 を通るしかない。その点が山のてっぺん=極大。くだりからのぼりへ(+-\to+)変わる点が谷の底=極小だよ。

    +0: 極大,0+: 極小+\to0\to-:\ \text{極大},\qquad -\to0\to+:\ \text{極小}
  4. 4

    ただし f(a)=0f'(a)=0 でも符号が変わらなければ(+0++\to0\to+ など)折り返さないので極値ではない。だから「f=0f'=0 の点を求め、その前後の符号を増減表で調べる」という手順が要る、というわけだね。

「極値 f=0\Rightarrow f'=0」は成り立つが、逆の「f(a)=0x=af'(a)=0\Rightarrow x=a で極値」は成り立たない。例えば y=x3y=x^3f(x)=3x2f'(x)=3x^2 なので f(0)=0f'(0)=0 だけれど、x=0x=0 の前後でずっと増加していて(符号は +0++\to0\to+)、山にも谷にもならない(変曲点)。だから f(a)=0f'(a)=0 を見つけたら、その前後で ff' の符号が実際に変わるかを必ず確かめる必要があるんだ。

補足・つまずきポイント

つまずきの定番は「f(a)=0f'(a)=0 だから極値」と早とちりすること。f=0f'=0 は極値の候補にすぎず、決め手は符号の変化(増減表)。++ から - なら極大、- から ++ なら極小、変わらなければ極値でない。もうひとつ、極大値が極小値より小さいことだってある(波打つグラフ)。「極」は「その近くで」一番高い/低いという意味で、全体の最大・最小とは別もの。最大最小を問われたら、極値の候補と区間の端の値を全部くらべて決めよう。

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