定理辞典📖 定理辞典

円の発展(接弦・方べき)

接弦定理(接線と弦の作る角)

接線と弦の作る角は、その弦に対する円周角に等しい。

主張

円の接線と、接点 TT から引いた弦 TATA がつくる角は、その弦 TATA に立つ円周角に等しいよ。接点と反対側の弧の上に点 PP をとると、接線と弦のすき間の角がそのまま円周角 APT\angle APT と同じ大きさになる。接線は円周角の「行き止まり」=点 PP を接点 TTまで近づけた極限と見ると、円周角の仲間だと感じられる。

65°65°OTAP
接線と弦 TATA がつくる角(赤)は、弦 TATA に立つ円周角 APT\angle APT(赤)に等しい。

成り立つ条件

直線が円に「接している」(接点 TT で半径に垂直)こと、弦が接点 TT を通ること。接線と弦がつくる角は2つ(弦をはさんで2つの弧に対応)できるので、見ている角の内側にある弧の円周角と比べる。反対側の角は、その補角(残りの弧の円周角)になる。

証明(なぜ成り立つ?)

接点 TT から直径を引き、「直径に対する円周角は直角」(タレスの定理)と円周角の定理を組み合わせる。

  1. 1

    接点 TT を通る直径 TDTD を引く(DD は円周上の反対側)。接線は半径 OTOT に垂直だから、その延長である直径 TDTD とも垂直。だから「接線と弦 TATA の角」は 90DTA90^\circ-\angle DTA と書ける。

  2. 2

    TDTD は直径だから、円周上の点 AA からできる TAD\angle TAD は直径に対する円周角=直角(タレスの定理)。

    TAD=90\angle TAD=90^\circ
    OTDAP
    接点 TT を通る直径 TDTD を引くと、TAD\angle TAD は直径に対する円周角=直角。直角三角形 TADTAD から、接線と弦の角(赤)は ADT\angle ADT に等しく、それは同じ弧 TATA に立つ円周角 APT\angle APT(赤)に等しい。
  3. 3

    直角三角形 TADTAD の内角の和から、ADT=90DTA\angle ADT=90^\circ-\angle DTA。さっきの接線と弦の角も 90DTA90^\circ-\angle DTA だったから、この2つは等しい。

    (接線と弦 TA の角)=ADT(\text{接線と弦 } TA \text{ の角})=\angle ADT
  4. 4

    ADT\angle ADT は弦 TATA に立つ円周角。円周角の定理より、同じ弧の上にある点 PP でできる APT\angle APT も同じ大きさ。よって接線と弦の角は円周角 APT\angle APT に等しいんだ。

    (接線と弦 TA の角)=ADT=APT(\text{接線と弦 } TA \text{ の角})=\angle ADT=\angle APT
  5. 5

    ここで見たのは、接線と弦がつくる「鋭角」側(点 PP を弦の反対側にとった円周角と同じ側)の場合。弦をはさんで反対側にできる「鈍角」の方は、その補角として、もう一方の弧に立つ円周角に等しくなる。どちらの角を見ているか=どちらの弧に立つ円周角か、を対応させれば同じ筋道で説明できるよ。

逆も成り立つ(接弦定理の逆)。点 TT で直線と円が交わり、TT を端とする弦 TATA とその直線がつくる角が、反対側の弧の円周角に等しいなら、その直線は TT で円に接する。「角が円周角と一致する → その直線は接線」と読めて、接していることの証明に使えるよ。

補足・つまずきポイント

つまずきやすいのは「どちらの弧の円周角か」。接線と弦の角を見たら、その角が口を開けている側の弧を探し、その弧の上の点でできる円周角と等しい、と対応づけよう。角度を求める問題では、接線が出てきたらまずこの形(接線と弦の角=円周角)を探すのが定石。証明の道すじは1つではなく、ここで挙げた直径とタレスの定理を使うもののほかに、「接線と弦の角も円周角も、どちらも中心角の半分だ」と示す筋もある。証明レッスン「証明: 接弦定理」ではそちらを自分の手で組み立てられるよ。

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使いどころ

この定理が、実際の問題でどう効くのかを見てみよう。