定理辞典📖 定理辞典

空間ベクトル

空間ベクトルの内積(成分表示)

空間の内積は成分どうしの積の和 x1x2+y1y2+z1z2x_1x_2+y_1y_2+z_1z_200 なら垂直。

主張

空間ベクトル a=(x1,y1,z1)\vec{a}=(x_1,y_1,z_1)b=(x2,y2,z2)\vec{b}=(x_2,y_2,z_2) のなす角を θ\theta とすると、内積は ab=abcosθ\vec{a}\cdot\vec{b}=|\vec{a}||\vec{b}|\cos\theta で定義され、これは成分を使うと ab=x1x2+y1y2+z1z2\vec{a}\cdot\vec{b}=x_1x_2+y_1y_2+z_1z_2 と書けるよ。平面の内積 x1x2+y1y2x_1x_2+y_1y_2zz 成分の積が1つ増えただけ。たとえば a=(2,1,2)\vec{a}=(2,1,2)b=(1,2,0)\vec{b}=(1,-2,0) なら ab=22+0=0\vec{a}\cdot\vec{b}=2-2+0=0 だね。

ab=abcosθ=x1x2+y1y2+z1z2\vec{a}\cdot\vec{b} = |\vec{a}||\vec{b}|\cos\theta = x_1x_2 + y_1y_2 + z_1z_2
xyzab
空間の2つのベクトル a\vec{a}b\vec{b}。成分どうしをかけて足すと内積になる。

成り立つ条件

成分が直交座標で表されていることが前提。内積の値そのものは見る向き(座標の取り方)に依らない量で、立体をどう回しても変わらない。いちばんよく使うのは「ab=0    ab\vec{a}\cdot\vec{b}=0 \iff \vec{a}\perp\vec{b}」(2つのベクトルが垂直)という言いかえ。00 でない零ベクトルどうしなら、内積が 00 かどうかで直角を判定できる。

証明(なぜ成り立つ?)

内積の定義 abcosθ|\vec{a}||\vec{b}|\cos\theta から出発し、三角形 OAB に余弦定理を当てて成分の式に直す。

  1. 1

    O を始点に OA=a\overrightarrow{\mathrm{OA}}=\vec{a}OB=b\overrightarrow{\mathrm{OB}}=\vec{b} をとり、なす角を θ\theta とする。OAB\triangle\mathrm{OAB} で、角 O の向かいの辺 AB に余弦定理を使うと、

    AB2=a2+b22abcosθ\mathrm{AB}^2 = |\vec{a}|^2 + |\vec{b}|^2 - 2|\vec{a}||\vec{b}|\cos\theta
  2. 2

    ここで abcosθ|\vec{a}||\vec{b}|\cos\theta は内積そのものだから、式を内積について解いておく。

    ab=abcosθ=12(a2+b2AB2)\vec{a}\cdot\vec{b} = |\vec{a}||\vec{b}|\cos\theta = \tfrac{1}{2}\left(|\vec{a}|^2 + |\vec{b}|^2 - \mathrm{AB}^2\right)
  3. 3

    右辺を成分で書く。大きさの式(空間の距離)から、それぞれ次のようになるね。

    a2=x12+y12+z12,b2=x22+y22+z22|\vec{a}|^2 = x_1^2+y_1^2+z_1^2,\quad |\vec{b}|^2 = x_2^2+y_2^2+z_2^2
  4. 4

    AB は差のベクトル ba\vec{b}-\vec{a} の大きさだから、その2乗は成分の差の2乗の和になる。

    AB2=(x2x1)2+(y2y1)2+(z2z1)2\mathrm{AB}^2 = (x_2-x_1)^2 + (y_2-y_1)^2 + (z_2-z_1)^2
  5. 5

    これらを代入すると、a2|\vec{a}|^2b2|\vec{b}|^2 の2乗の項がきれいに打ち消し合って、成分の積の和だけが残るよ。

    ab=x1x2+y1y2+z1z2\vec{a}\cdot\vec{b} = x_1x_2 + y_1y_2 + z_1z_2

内積の符号で「なす角の種類」がわかる。ab>0\vec{a}\cdot\vec{b}>0 なら鋭角(同じ向き寄り)、=0=0 なら直角、<0<0 なら鈍角(逆向き寄り)。これは ab>0|\vec{a}||\vec{b}|>0 なので、符号は cosθ\cos\theta の符号そのものになるから。逆に内積から角度(cosθ=abab\cos\theta=\dfrac{\vec{a}\cdot\vec{b}}{|\vec{a}||\vec{b}|})も逆算できる。

補足・つまずきポイント

つまずきやすいのは「内積はベクトルではなく数(スカラー)」だということ。成分どうしをばらばらにかけて足すだけで、(x1x2,y1y2,z1z2)(x_1x_2,\,y_1y_2,\,z_1z_2) のような成分にはまとめない。また垂直判定に使えるのは零ベクトルでないときだけ。大きさ 00 のベクトルとは角度が決められないからね。

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