定理辞典📖 定理辞典

反復試行・二項分布

反復試行の確率(二項分布)

11 回の成功確率が pp の試行を独立に nn 回くり返すとき、ちょうど kk 回成功する確率は P(X=k)=nCkpk(1p)nkP(X=k)={}_n\mathrm{C}_k\,p^{k}(1-p)^{n-k}

主張

同じ条件の試行(コイン投げ・サイコロ・当たりくじを毎回もどす等)を独立に nn 回くり返すのが反復試行だよ。11 回の成功確率を pp、失敗を q=1pq=1-p とすると、ちょうど kk 回成功する確率は P(X=k)=nCkpkqnkP(X=k)={}_n\mathrm{C}_k\,p^{k}q^{n-k}。考え方は 22 段がまえ。まず「成功 kk 回・失敗 nkn-k 回」が決まった順で起こる確率は、独立だからかけ算で pkqnkp^{k}q^{n-k}。次に「どの回が成功か」の選び方が nCk{}_n\mathrm{C}_k 通りあって、どれも同じ確率だから、その本数ぶん足す。確率は nCk{}_n\mathrm{C}_k をかけた形になる。k=0,1,,nk=0,1,\dots,n と並べると、確率は nCk{}_n\mathrm{C}_k に応じた「山」(二項分布)になるんだ。

P(X=k)=nCkpk(1p)nk(k=0,1,,n)P(X=k)={}_n\mathrm{C}_k\,p^{k}(1-p)^{n-k}\qquad(k=0,1,\dots,n)
0.060.250.380.250.06012342.00表が出る回数確率
kk 回になる確率の山。棒の高さの比 1:4:6:4:11{:}4{:}6{:}4{:}1 は組合せ 4Ck{}_4\mathrm{C}_k=「どの回が表か」の選び方の本数だよ。

成り立つ条件

(i)(\text{i}) 毎回の試行が独立(前の結果が次に影響しない)であること。(ii)(\text{ii}) 成功確率 pp がどの回も一定であること。(iii)(\text{iii}) 各回の結果を「成功/失敗」の 22 通りに分けて数えること。当たりくじを「もどさず」引くと毎回の確率が変わる(pp が一定でない)ので、これは反復試行ではない。もどす/もどさないの区別に注意しよう。

証明(なぜ成り立つ?)

「決まった順で kk 回成功する確率」を独立試行の乗法で出し、それが何通りあるかを組合せ nCk{}_n\mathrm{C}_k で数えて、本数ぶん足す。

  1. 1

    まず順番を 11 つ固定して、たとえば「成功・成功・…(計 kk 回)・失敗・…(計 nkn-k 回)」がこの順で起こる確率を考える。各回は独立だから、起こる確率はかけ算でつながる。

    ppkqqnk=pkqnk(q=1p)\underbrace{p\cdots p}_{k}\cdot\underbrace{q\cdots q}_{n-k}=p^{k}q^{n-k}\quad(q=1-p)
  2. 2

    成功の回数が同じ kk 回なら、どの順番でも ppkk 個・qqnkn-k 個の積で、確率はみな等しく pkqnkp^{k}q^{n-k}。違うのは「どの回が成功か」だけだね。

  3. 3

    その「どの kk 回が成功か」の選び方は、nn 回から kk 回を選ぶ組合せで nCk{}_n\mathrm{C}_k 通り。どれも確率 pkqnkp^{k}q^{n-k} で、たがいに重ならない場合だから、確率をその本数ぶん足し合わせる。

  4. 4

    同じ値を nCk{}_n\mathrm{C}_k 回たすのはかけ算と同じだから、下の式になる。「11 通りぶんの確率 ×\times 場合の数」という、確率の基本の形だね。

    P(X=k)=nCkpk(1p)nkP(X=k)={}_n\mathrm{C}_k\,p^{k}(1-p)^{n-k}

補足・つまずきポイント

「ちょうど kk 回」と「kk 回以上」「少なくとも 11 回」の数え分けに注意。kk 回以上は j=knnCjpjqnj\sum_{j=k}^{n}{}_n\mathrm{C}_j\,p^{j}q^{n-j} と上を全部たし、「少なくとも 11 回」は余事象 1qn1-q^{n} が速い。すべての kk について足すと k=0nnCkpkqnk=(p+q)n=1\displaystyle\sum_{k=0}^{n}{}_n\mathrm{C}_k\,p^k q^{n-k}=(p+q)^n=1。これは二項定理そのもので、確率の合計が 11 になることを保証している。期待値は E(X)=npE(X)=np、分散は np(1p)np(1-p) で、nn が大きいと山の形は正規分布に近づくよ。

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