定理辞典📖 定理辞典

三平方の定理

中線定理(パップスの定理)

中線の長さは、三角形の3辺の長さだけで書ける。

主張

ABC\triangle ABC で、辺 BCBC の中点を MM とすると、頂点 AA から引いた中線 AMAM について AB2+AC2=2(AM2+BM2)AB^2+AC^2=2(AM^2+BM^2) が成り立つよ。中線が出てきて「22 乗の和」を聞かれたらこの定理。公式を忘れても、三平方をくり返し使えば自分で導けるのがうれしいところだね。

AB2+AC2=2(AM2+BM2)AB^2+AC^2 = 2(AM^2+BM^2)
BCAM
BCBC の中点 MM と頂点 AA を結んだ中線 AMAM(赤)。BM=MCBM=MC(同じ印)が定理の前提。

成り立つ条件

MM が辺 BCBC の「中点」であること(BM=CMBM=CM)が大前提。BM=12BCBM=\tfrac12 BC を使えば AB2+AC2=2AM2+12BC2AB^2+AC^2=2AM^2+\tfrac12 BC^2 とも書ける(同じ式の言いかえ)。中点でない点では成り立たないので、まず MM が中点かを確かめよう。

証明(なぜ成り立つ?)

頂点 AA から底辺 BCBC へ垂線 AHAH を下ろし、できる直角三角形に三平方を 33 回使って、共通の高さ AHAH を消去する。

  1. 1

    AA から BCBC へ垂線を下ろし、足を HH とする。直角三角形 ABHABHACHACHAMHAMH ができ、高さ AHAH33 つに共通だね。

  2. 2

    三平方の定理を 33 つの直角三角形 ABHABHACHACHAMHAMH に使うと、次の 33 つの式が出る。高さ AHAH がどれにも顔を出すね。

    AB2=AH2+BH2,    AC2=AH2+CH2,    AM2=AH2+MH2AB^2=AH^2+BH^2,\;\; AC^2=AH^2+CH^2,\;\; AM^2=AH^2+MH^2
  3. 3

    MM は中点だから、HH から測ると BH=BM+MHBH=BM+MHCH=BMMHCH=BM-MH(向きを反対にとる)。22 乗して足すと、クロス項 ±2BMMH\pm 2\,BM\cdot MH が打ち消し合う。

    BH2+CH2=(BM+MH)2+(BMMH)2=2BM2+2MH2BH^2+CH^2=(BM+MH)^2+(BM-MH)^2=2BM^2+2MH^2
  4. 4

    よって AB2+AC2=2AH2+(BH2+CH2)=2AH2+2MH2+2BM2=2(AH2+MH2)+2BM2AB^2+AC^2=2AH^2+(BH^2+CH^2)=2AH^2+2MH^2+2BM^2=2(AH^2+MH^2)+2BM^2。ここで AH2+MH2=AM2AH^2+MH^2=AM^2 を使えば、これが中線定理だ。

    AB2+AC2=2(AM2+BM2)AB^2+AC^2=2(AM^2+BM^2)

補足・つまずきポイント

AB2+AC2=2AM2+12BC2AB^2+AC^2=2AM^2+\tfrac12 BC^2 の形にすると、33 辺がわかっているとき中線 AMAM の長さが一発で出る。「パップスの定理」とも呼ぶ。余弦定理で AMB\angle AMBAMC\angle AMC(=180AMB=180^\circ-\angle AMBcos\cos が符号反転)を足しても同じ式が出る。三平方でも余弦定理でも導けるのが面白いところ。

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