定理辞典📖 定理辞典

三角形の五心

三角形の垂心(3垂線の交点)

各頂点から対辺(またはその延長)へ下ろした 33 本の垂線は、11 点で交わる。

主張

三角形の各頂点から、向かい合う辺へ下ろした垂線を考えるよ。この 33 本の垂線は、必ず 11 点で交わる。その点を垂心といい、ふつう HH で表す。外心(=33 辺の垂直二等分線の交点)や内心(=33 角の二等分線の交点)と同じく、33 本の特別な直線が 11 点に集まる。その交点が垂心だね。

ABCH
各頂点から対辺へ下ろした 33 本の垂線が交わる垂心 HH。足はどれも直角(同じ色)で、33 本は 11 点に集まる。

成り立つ条件

下ろすのは「垂線」=頂点を通り、対辺(直線 BCBC など)と直角に交わる線であること。鈍角三角形では足が辺の延長上に来るので、対辺そのものではなく「対辺を含む直線」へ下ろすと考えるとよい。

証明(なぜ成り立つ?)

各頂点を通り対辺に平行な線で「大きな三角形」を作り、元の垂線がその大三角形の辺の垂直二等分線になることを示す。すると外心(垂直二等分線は 11 点で交わる)の結果へ帰着できる。

  1. 1

    AA を通り辺 BCBC に平行な直線、BB を通り CACA に平行な直線、CC を通り ABAB に平行な直線を引く。この 33 直線で大きな三角形 PQRPQR ができる。

  2. 2

    向かい合う辺が平行な四角形(平行四辺形)がいくつもできる。平行四辺形は向かい合う辺が等しいから、AA の左右の辺はどちらも BCBC と同じ長さ。つまり AABBCC はそれぞれ PQRPQR の各辺の中点になる。

  3. 3

    AA から BCBC への垂線は、BCBC に平行な大三角形の辺(=AA を通る辺)とも直角。しかも AA はその辺の中点だから、この垂線はその辺の垂直二等分線になっている。BBCC からの垂線も同様だね。

  4. 4

    つまり元の三角形の 33 本の垂線は、大三角形 PQRPQR33 辺の垂直二等分線そのもの。垂直二等分線は 11 点(=PQRPQR の外心)で交わるから、元の 33 本の垂線も 11 点で交わる。その点が垂心 HH だよ。

22 本の垂線の交点を取れば、それが垂心になり、残り 11 本の垂線も必ずその点を通る。「22 本の垂線の交点」と「33 本の垂線の交点」は同じ点を指している、と読めるよ。

補足・つまずきポイント

垂心 HH の位置は三角形の形で大きく変わる。鋭角三角形では内部、直角三角形では直角の頂点そのもの(直角をはさむ 22 辺がそのまま垂線になるため)、鈍角三角形では外部に来る。外心とよく似た「形で居場所が動く」タイプだね。外心 OO・内心 II・重心 GG のような「33 頂点/33 辺から等距離」「2:12:1」といったきれいな計量性質は少なく、垂心はベクトルで問われることが多い。外心 OO を基準にすると OH=OA+OB+OC\overrightarrow{OH}=\overrightarrow{OA}+\overrightarrow{OB}+\overrightarrow{OC} が成り立ち、OOGGHH は一直線(オイラー線)に並んで OG:GH=1:2OG:GH=1:2。外心・内心・重心・垂心・傍心の 55 つをまとめて三角形の五心と呼ぶ。

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