三角形の五心
各頂点から対辺(またはその延長)へ下ろした 本の垂線は、 点で交わる。
三角形の各頂点から、向かい合う辺へ下ろした垂線を考えるよ。この 本の垂線は、必ず 点で交わる。その点を垂心といい、ふつう で表す。外心(= 辺の垂直二等分線の交点)や内心(= 角の二等分線の交点)と同じく、 本の特別な直線が 点に集まる。その交点が垂心だね。
下ろすのは「垂線」=頂点を通り、対辺(直線 など)と直角に交わる線であること。鈍角三角形では足が辺の延長上に来るので、対辺そのものではなく「対辺を含む直線」へ下ろすと考えるとよい。
各頂点を通り対辺に平行な線で「大きな三角形」を作り、元の垂線がその大三角形の辺の垂直二等分線になることを示す。すると外心(垂直二等分線は 点で交わる)の結果へ帰着できる。
を通り辺 に平行な直線、 を通り に平行な直線、 を通り に平行な直線を引く。この 直線で大きな三角形 ができる。
向かい合う辺が平行な四角形(平行四辺形)がいくつもできる。平行四辺形は向かい合う辺が等しいから、 の左右の辺はどちらも と同じ長さ。つまり ・・ はそれぞれ の各辺の中点になる。
から への垂線は、 に平行な大三角形の辺(= を通る辺)とも直角。しかも はその辺の中点だから、この垂線はその辺の垂直二等分線になっている。・ からの垂線も同様だね。
つまり元の三角形の 本の垂線は、大三角形 の 辺の垂直二等分線そのもの。垂直二等分線は 点(= の外心)で交わるから、元の 本の垂線も 点で交わる。その点が垂心 だよ。
本の垂線の交点を取れば、それが垂心になり、残り 本の垂線も必ずその点を通る。「 本の垂線の交点」と「 本の垂線の交点」は同じ点を指している、と読めるよ。
垂心 の位置は三角形の形で大きく変わる。鋭角三角形では内部、直角三角形では直角の頂点そのもの(直角をはさむ 辺がそのまま垂線になるため)、鈍角三角形では外部に来る。外心とよく似た「形で居場所が動く」タイプだね。外心 ・内心 ・重心 のような「 頂点/ 辺から等距離」「」といったきれいな計量性質は少なく、垂心はベクトルで問われることが多い。外心 を基準にすると が成り立ち、・・ は一直線(オイラー線)に並んで 。外心・内心・重心・垂心・傍心の つをまとめて三角形の五心と呼ぶ。
言葉で読んだら、動くアニメと自分の手で確かめてみよう。
この定理が、実際の問題でどう効くのかを見てみよう。