定理辞典📖 定理辞典

相関・散布図・相関係数

相関係数

22 種類のデータが直線的にどれだけそろうかを 11 数で表す指標。共分散を両方の標準偏差で割った r=sxysxsyr=\dfrac{s_{xy}}{s_x\,s_y} で、いつも 1r1-1\le r\le1

主張

散布図にうった点が、どれくらい右上がり(または右下がり)の一直線にそろっているかを、11 つの数で表したものが相関係数 rr だよ。作り方は、xxyy の「いっしょに動く度合い」を表す共分散 sxy=1n(xixˉ)(yiyˉ)s_{xy}=\dfrac{1}{n}\sum(x_i-\bar{x})(y_i-\bar{y}) を、xx の散らばり sxs_xyy の散らばり sys_y(それぞれ標準偏差)でわって規格化する。こうすると単位や大きさによらず、いつも 1r1-1\le r\le1 におさまる。rr+1+1 に近いほど右上がりの直線にぴたっとそろい、1-1 に近いほど右下がりにそろう。00 に近いほど直線的な関係は弱い(点がバラバラ)、という読み方だね。

r=sxysxsy=(xixˉ)(yiyˉ)(xixˉ)2 (yiyˉ)2(1r1)r=\dfrac{s_{xy}}{s_x\,s_y}=\dfrac{\sum(x_i-\bar{x})(y_i-\bar{y})}{\sqrt{\sum(x_i-\bar{x})^2}\ \sqrt{\sum(y_i-\bar{y})^2}}\qquad(-1\le r\le1)
01234567890246810勉強した時間テストの点
点が右上がりの直線(赤い点線)のまわりにそろうほど、相関係数 rr11 に近づくよ。

成り立つ条件

xxyy のどちらにも散らばりがあること(sx>0s_x>0 かつ sy>0s_y>0。全部同じ値だと割る数が 00 になり rr は定義できない)。xˉ,yˉ\bar{x},\bar{y} は平均、sx,sys_x,s_y は標準偏差、sxys_{xy} は共分散で、いずれも同じ nn 組のデータから計算する。rr が測るのはあくまで「直線的な」関係の強さだよ。

なぜそう決まる?

なぜいつも 1r1-1\le r\le1 におさまるのかを、各データを標準化(偏差を標準偏差でわる)して考える。標準化した値の積の平均が rr で、それが ±1\pm1 をこえられない理由を見る。

  1. 1

    各データの偏差を標準偏差でわった「標準化得点」uiu_iviv_i を考える。すると相関係数はちょうど、その積の平均になるよ。標準化のおかげで uuvv も「22 乗の平均が 11」にそろうのがポイント。

    r=1ni=1nuivi,1nui2=1nvi2=1r=\dfrac{1}{n}\sum_{i=1}^{n}u_i v_i,\qquad \dfrac{1}{n}\sum u_i^2=\dfrac{1}{n}\sum v_i^2=1
  2. 2

    ここで uuvv の差を 22 乗した平均を考える。22 乗だから必ず 00 以上。展開すると u,vu,v22 乗の平均がどちらも 11 だから、r1r\le1 が出てくるよ。

    1n(uivi)2=22r0  r1\dfrac{1}{n}\sum (u_i-v_i)^2=2-2r\ge0\ \Rightarrow\ r\le1
  3. 3

    同じように uuvv の和を 22 乗した平均を考えると、今度は r1r\ge-1。あわせて 1r1-1\le r\le1 だね。使ったのは「22 乗の平均は 00 以上」だけだよ。

    1n(ui+vi)2=2+2r0  r1\dfrac{1}{n}\sum (u_i+v_i)^2=2+2r\ge0\ \Rightarrow\ r\ge-1
  4. 4

    等号 r=1|r|=1 になるのは、差(または和)の 22 乗がいつも 00、つまり全部の点が 11 本の直線にのるとき。正の比例なら +1+1、負なら 1-1。直線からずれるほど r|r|11 より小さくなる、というわけだね。

r=±1r=\pm1 になるのは、すべての点がちょうど 11 本の直線にのるとき、そしてそのときに限る(右上がりなら +1+1、右下がりなら 1-1)。直線から外れる点が増えるほど r|r|11 より小さくなる。だから r|r| は「点が直線にどれだけ近いか」の物差しとして読めるんだ。

補足・つまずきポイント

いちばんの注意は「r=0r=0 でも無関係とは限らない」こと。rr が見るのは直線的な関係だけなので、UU 字のような曲がった関係があっても rr00 に近くなることがある。もう 11 つ、相関は因果ではない。rr が大きくても「xxyy の原因」とは言えない(かげに別の原因が隠れていることも)。さらに rr は外れ値に弱く、11 つ離れた点で値が大きく動くこともある。rr を見たら、必ず散布図そのものも見て、直線的か・外れ値はないかを目で確かめよう。

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使いどころ

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