定理辞典📖 定理辞典

チェバ・メネラウス

チェバの定理

11 点に集まる 33 本の線(チェバ線)がつくる比の積は 11

主張

ABC\triangle ABC の内部の点 PP から、各頂点を通る直線を向かいの辺へ引き、交点を DD(辺 BCBC)・EE(辺 CACA)・FF(辺 ABAB)とすると、33 つの比をぐるっと一周する向きで掛けた積はちょうど 11 になるよ。個々の比はバラバラに変わるのに、積だけは PP を動かしても 11 のまま。この「不変さ」がチェバの定理の正体だね。

BDDCCEEAAFFB=1\dfrac{BD}{DC}\cdot\dfrac{CE}{EA}\cdot\dfrac{AF}{FB}=1
ABCPDEF
各頂点から内部の点 PP を通る 33 本のチェバ線が、対辺を DDEEFF で切る。

成り立つ条件

33 本の線(チェバ線 ADADBEBECFCF)が 11PP で交わること。比は「一周する向き」(BDCB\to D\to CCEAC\to E\to AAFBA\to F\to B)でそろえて掛ける。向きを混ぜると積が合わなくなるので注意しよう。

証明(なぜ成り立つ?)

「同じ高さの三角形の面積は底辺の比に等しい」を使い、各分点の比を PP がつくる 33 つの三角形の面積比に置きかえる。

  1. 1

    底辺が一直線上にある三角形は、面積が底辺の長さに比例する(高さが共通だから)。辺 BCBC 上の DD について、AA を頂点に見ると BDDC=ABDACD\dfrac{BD}{DC}=\dfrac{\triangle ABD}{\triangle ACD}PP を頂点に見ると BDDC=PBDPCD\dfrac{BD}{DC}=\dfrac{\triangle PBD}{\triangle PCD}

  2. 2

    ab=cd\dfrac{a}{b}=\dfrac{c}{d} なら acbd\dfrac{a-c}{b-d} も同じ値。ABP=ABDPBD\triangle ABP=\triangle ABD-\triangle PBDACP=ACDPCD\triangle ACP=\triangle ACD-\triangle PCD だから、差をとると、辺 BCBC の比は PP がつくる 22 つの三角形の面積比に書きかわる。

    BDDC=ABPACP\frac{BD}{DC}=\frac{\triangle ABP}{\triangle ACP}
  3. 3

    まったく同じ操作を残り 22 辺にも行うと、CE:EACE:EAAF:FBAF:FB も同じように書ける。PP がつくる 33 つの三角形の面積で、すべての比がそろったね。

    CEEA=BCPABP,AFFB=CAPBCP\frac{CE}{EA}=\frac{\triangle BCP}{\triangle ABP},\quad \frac{AF}{FB}=\frac{\triangle CAP}{\triangle BCP}
  4. 4

    33 つを掛けると、分母と分子に同じ面積が一巡して現れ、すべて打ち消し合う。残るのは 11

    ABPACPBCPABPCAPBCP=1\frac{\triangle ABP}{\triangle ACP}\cdot\frac{\triangle BCP}{\triangle ABP}\cdot\frac{\triangle CAP}{\triangle BCP}=1

逆も成り立つ。33 辺上の点 DDEEFF について上の積が 11 なら、33 本の線 ADADBEBECFCF は必ず 11 点で交わる。たとえば 33 本の中線は各比が 111×1×1=11\times1\times1=1 だから、「重心が存在する(33 本の中線が 11 点で交わる)」ことが一瞬で言えるよ。

補足・つまずきポイント

図の形で使い分けよう。「33 本の線が 11 点に集まる」ならチェバ、「11 本の直線が三角形を突っ切る」ならメネラウス。比を書くときは頂点 \to 分点 \to 次の頂点と一周する順に並べると、向きを間違えにくい。

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