定理辞典📖 定理辞典

数列・Σ・漸化式・帰納法

Σ(和)の公式

k=1nk=n(n+1)2\displaystyle\sum_{k=1}^{n}k=\dfrac{n(n+1)}{2}k=1nk2=n(n+1)(2n+1)6\displaystyle\sum_{k=1}^{n}k^2=\dfrac{n(n+1)(2n+1)}{6}k=1nk3={n(n+1)2}2\displaystyle\sum_{k=1}^{n}k^3=\left\{\dfrac{n(n+1)}{2}\right\}^2 など、よく出る和を一発で求める公式。

主張

\sum(シグマ)は「kk11 から nn まで動かして全部たす」という記号だったね。11 つずつ足していくのは大変だけど、よく出る形は和を一気に出す公式がある。1+2++n=n(n+1)21+2+\cdots+n=\dfrac{n(n+1)}{2}12+22++n2=n(n+1)(2n+1)61^2+2^2+\cdots+n^2=\dfrac{n(n+1)(2n+1)}{6}13+23++n3={n(n+1)2}21^3+2^3+\cdots+n^3=\left\{\dfrac{n(n+1)}{2}\right\}^233 つは特によく使うよ。さらに、足すのが定数 cc なら k=1nc=cn\sum_{k=1}^{n}c=cn(長方形の面積と同じ)。\sum は線形だから、(ak+b)=ak+b\sum(ak+b)=a\sum k+\sum b のようにバラして、それぞれにこの公式をあてはめれば、たいていの和は計算できるんだ。

k=1nk=n(n+1)2k=1nk2=n(n+1)(2n+1)6k=1nk3={n(n+1)2}2k=1nc=cn\begin{gathered}\sum_{k=1}^{n}k=\dfrac{n(n+1)}{2}\qquad\sum_{k=1}^{n}k^2=\dfrac{n(n+1)(2n+1)}{6}\\[6pt]\sum_{k=1}^{n}k^3=\left\{\dfrac{n(n+1)}{2}\right\}^2\qquad\sum_{k=1}^{n}c=cn\end{gathered}
1+2+3+41+2+3+4 を積み上げた三角の階段。k=1nk\sum_{k=1}^{n}k は三角数 n(n+1)2\dfrac{n(n+1)}{2} そのものだよ。

成り立つ条件

nn は項数(正の整数)で、k=1k=1 から始まる和だということ。途中の項から始まる和(たとえば k=3n\sum_{k=3}^{n})は、k=1nk=12\sum_{k=1}^{n}-\sum_{k=1}^{2} のように「11 からの和の差」に直してから公式を使う。\sum の線形性((ak+b)=ak+b\sum(ak+b)=a\sum k+\sum b、定数は外に出せる)も、公式を組み合わせる前提として効いているよ。

証明(なぜ成り立つ?)

k\sum k は階段をひっくり返して長方形にする手(等差数列の和)で出せる。k2\sum k^2 は「(k+1)3k3(k+1)^3-k^3 の和」を望遠鏡和でつぶす定番の手で、k\sum k の結果を使って芋づる式に導く。

  1. 1

    まず k=1nk\sum_{k=1}^{n}k。和を順と逆順で 22 通りに書いて縦に足すと、どのペアも 1+n1+n でそろい、それが nn 組。だから和 22 組ぶんが長方形になり、その半分が求める和だよ(階段をひっくり返して長方形にする、と同じ)。

    2k=1nk=(1+n)n  k=1nk=n(n+1)22\sum_{k=1}^{n}k=(1+n)\,n\ \Rightarrow\ \sum_{k=1}^{n}k=\dfrac{n(n+1)}{2}
  2. 2

    次に k2\sum k^2。カギは恒等式 (k+1)3k3=3k2+3k+1(k+1)^3-k^3=3k^2+3k+1。これを k=1k=1 から nn まで足すと、左辺は途中がバタバタ打ち消し合う望遠鏡和になって、両端だけが残るんだ。

    k=1n{(k+1)3k3}=(n+1)31\sum_{k=1}^{n}\bigl\{(k+1)^3-k^3\bigr\}=(n+1)^3-1
  3. 3

    右辺は k2\sum k^2k\sum k1\sum 1 の和に分かれる。さっき求めた k\sum k1=n\sum 1=n を代入し、左辺と等しいとおいて k2\sum k^2 について解くよ。

    (n+1)31=3k=1nk2+3n(n+1)2+n(n+1)^3-1=3\sum_{k=1}^{n}k^2+\dfrac{3n(n+1)}{2}+n
  4. 4

    整理して両辺を 33 でわると k2\sum k^2 の公式が出る。同じ手を (k+1)4k4(k+1)^4-k^4 に使えば k3={n(n+1)2}2\sum k^3=\left\{\dfrac{n(n+1)}{2}\right\}^2 も導けるよ。11 つ前の公式を次に使う、の連鎖だね。

    k=1nk2=n(n+1)(2n+1)6\sum_{k=1}^{n}k^2=\dfrac{n(n+1)(2n+1)}{6}

補足・つまずきポイント

つまずきやすいのは k3\sum k^3(k)2\left(\sum k\right)^2 と同じ形になること。k3={n(n+1)2}2=(k)2\sum k^3=\left\{\dfrac{n(n+1)}{2}\right\}^2=\left(\sum k\right)^2 で、これは偶然そう見えるだけで、一般に km(k)m\sum k^m\ne(\sum k)^m だよ(k2\sum k^2(k)2(\sum k)^2 とはまるで違う)。もう 11 つ、定数の和は k=1nc=cn\sum_{k=1}^{n}c=cn で、うっかり cc のままにしない(個数 nn ぶんたす)。k=1n1=n\sum_{k=1}^{n}1=n も同じ。和を求めたら、n=1n=1n=2n=2 を入れて手計算と合うか確かめると、係数ミスにすぐ気づけるよ。

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