定理辞典📖 定理辞典

極限・近づく様子

はさみうちの原理

ancnbna_n\le c_n\le b_n で、両側 an,bna_n,b_n が同じ値 α\alpha に収束するなら、間にはさまれた cnc_nα\alpha に収束する。直接求めにくい極限を「上下から挟んで」決める道具。

主張

極限が直接は求めにくい数列でも、上と下から「同じ行き先」へ収束する 22 つの数列で挟めれば、間の数列もそこへ行くしかない。これがはさみうちの原理だよ。十分大きい nnancnbna_n\le c_n\le b_n が成り立ち、両側が同じ値 α\alpha に収束する(liman=limbn=α\lim a_n=\lim b_n=\alpha)なら、はさまれた cnc_n も必ず limcn=α\lim c_n=\alpha。関数の極限でも同じことが言えて、f(x)g(x)h(x)f(x)\le g(x)\le h(x) で両側が同じ値に近づけば、真ん中の g(x)g(x) もその値に近づく。sinnn\dfrac{\sin n}{n} のように振動して直接は追えない極限を求めるときの定番の手だね。

ancnbn  (十分大きい n)かつlimnan=limnbn=αlimncn=α\begin{gathered}a_n\le c_n\le b_n\ \ (\text{十分大きい }n)\quad\text{かつ}\quad \lim_{n\to\infty}a_n=\lim_{n\to\infty}b_n=\alpha\\[4pt]\Longrightarrow\quad \lim_{n\to\infty}c_n=\alpha\end{gathered}

成り立つ条件

(i) ある番号から先のすべての nnancnbna_n\le c_n\le b_n(=cnc_n を上下から挟めていること。最初の有限個は外れていてもよい)。(ii) 挟む両側 ana_nbnb_n が、同じ値 α\alpha に収束すること。この 22 つがそろって初めて、間の cnc_n の収束が保証される。

証明(なぜ成り立つ?)

「どんなに小さい幅をとっても、最後にはその幅の中に入る」のが収束。両側 an,bna_n,b_n が同じ α\alpha の近くまで来ると、間の cnc_n も同じ近くに閉じこめられることを示す。

  1. 1

    目標とする近さ(許す誤差)をどんなに小さく決めても、anαa_n\to\alpha だから、ある番号から先の ana_nα\alpha からその誤差の内側に入る。bnαb_n\to\alpha も同じで、ある番号から先の bnb_nα\alpha のその内側に入る。

    αε<an,bn<α+ε(十分大きい n)\alpha-\varepsilon<a_n,\qquad b_n<\alpha+\varepsilon\quad(\text{十分大きい }n)
  2. 2

    両方が成り立つ番号から先では、αε<ancnbn<α+ε\alpha-\varepsilon<a_n\le c_n\le b_n<\alpha+\varepsilon。挟まれている cnc_n も、α\alpha からその誤差の内側に閉じこめられるね。

    αε<cn<α+ε\alpha-\varepsilon<c_n<\alpha+\varepsilon
  3. 3

    許す誤差はいくらでも小さくできたのだから、cnc_nα\alpha にいくらでも近づける。つまり limcn=α\lim c_n=\alpha。両側を同じ行き先へそろえたことが、真ん中の行き先を決めた、というわけだね。

補足・つまずきポイント

つまずきの定番は、両側が「同じ値」に収束していないのに使ってしまうこと。an1a_n\to1bn3b_n\to3 のように行き先が違うと、間の cnc_n1133 のどこかにいる、としか言えず極限は決まらない。片側だけの不等式(cnbnc_n\le b_n だけ)でも決まらない。必ず両側で挟むこと。よく使うのは絶対値版で、cnbn|c_n|\le b_n かつ bn0b_n\to0 なら(bncnbn-b_n\le c_n\le b_n と同じだから)cn0c_n\to0sinnn\dfrac{\sin n}{n}sinnn1n0\left|\dfrac{\sin n}{n}\right|\le\dfrac{1}{n}\to000 に収束、と片づくよ。

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