定理辞典📖 定理辞典

不定方程式と格子点

一次不定方程式の整数解

ax+by=cax+by=c の整数解は、11 つ見つかれば xxbg\dfrac{b}{g} ずつ・yyag\dfrac{a}{g} ずつずらして全部書ける(g=gcd(a,b)g=\gcd(a,b))。直線の上に等間隔に並ぶ格子点だよ。

主張

a,b,ca,b,c を整数とする一次不定方程式 ax+by=cax+by=c は、g=gcd(a,b)g=\gcd(a,b)cc をわり切るときに限って整数解をもつ。そして整数解が 11(x0,y0)(x_0,y_0) 見つかれば、すべての整数解は x=x0+bgtx=x_0+\dfrac{b}{g}ty=y0agty=y_0-\dfrac{a}{g}t(tt は整数)で書ける。座標で見ると、整数解は直線 ax+by=cax+by=c の上に等間隔で並ぶ格子点(マスの交点)。たとえば 2x+3y=122x+3y=12 なら (0,4),(3,2),(6,0),(0,4),(3,2),(6,0),\dots で、xx33 増やすと yy22 減る、同じ歩はばのとびとびの並びになる。

x=x0+bgt,y=y0agt(tZ, g=gcd(a,b))x=x_0+\dfrac{b}{g}\,t,\qquad y=y_0-\dfrac{a}{g}\,t\qquad(t\in\mathbb{Z},\ g=\gcd(a,b))
(0, 4)(3, 2)(6, 0)
2x+3y=122x+3y=1211 本の直線。x,yx,y がともに整数になる点 (0,4),(3,2),(6,0)(0,4),(3,2),(6,0) だけが整数解(格子点)。

成り立つ条件

a,b,ca,b,c は整数で、a,ba,b は同時に 00 でない。整数解をもつ条件は g=gcd(a,b)g=\gcd(a,b)cc をわり切ること(gcg\nmid c なら解は 11 つもない)。11 つの解(特殊解)は、ユークリッドの互除法を逆にたどると必ず作れる。

証明(なぜ成り立つ?)

11 つの解を出発点に、ほかの解との差をとって「歩はば」を求める。特殊解の存在は互除法が保証する。

  1. 1

    まず整数解 11 つ(特殊解)(x0,y0)(x_0,y_0) があるとする(gcg\mid c のとき、互除法を逆にたどると必ず作れる)。このとき ax0+by0=cax_0+by_0=c

  2. 2

    ほかの整数解 (x,y)(x,y) との差をとると、右辺の cc どうしが消えて a(xx0)+b(yy0)=0a(x-x_0)+b(y-y_0)=0。移項すると次の形になる。

    a(xx0)=b(yy0)a(x-x_0)=-b(y-y_0)
  3. 3

    両辺を g=gcd(a,b)g=\gcd(a,b) でわると、ag\dfrac{a}{g}bg\dfrac{b}{g} は互いに素。互いに素な数の積の関係から、xx0x-x_0bg\dfrac{b}{g} の倍数でなければならない。そこで xx0=bgtx-x_0=\dfrac{b}{g}t とおける。

    ag(xx0)=bg(yy0)\dfrac{a}{g}(x-x_0)=-\dfrac{b}{g}(y-y_0)
  4. 4

    これを戻すと yy0=agty-y_0=-\dfrac{a}{g}t。まとめて x=x0+bgtx=x_0+\dfrac{b}{g}ty=y0agty=y_0-\dfrac{a}{g}t。整数 tt を動かすと、直線上に等間隔に並ぶすべての整数解が得られる。

解が等間隔に無数に並ぶ理由はこうだ。22 つの解の差をとると a(xx)+b(yy)=0a(x-x')+b(y-y')=0、つまり a(xx)=b(yy)a(x-x')=-b(y-y')。両辺を gg でわると ag\dfrac{a}{g}bg\dfrac{b}{g} は互いに素になるので、xxx-x'bg\dfrac{b}{g} の倍数でなければならない。だから歩はばが bg\dfrac{b}{g}(と ag\dfrac{a}{g})にそろう。

補足・つまずきポイント

2x+3y=122x+3y=12 では g=gcd(2,3)=1g=\gcd(2,3)=11212 をわり切るので解あり。歩はばは xx+3(=b)+3\,(=b)yy2(=a)-2\,(=a)。右辺 cc を変えると直線が平行に動き、解も同じ歩はばでずれる。自然数の解だけを数えたいときは、x>0x>0 かつ y>0y>0 になる tt の範囲をしぼればよい。

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