確率の意味・相対度数
同じ試行をくり返すと、相対度数(起きた割合)は試行回数を増やすほど理論上の確率に近づく。「確率=長い目で見た相対度数」を支える法則。
ある事象の起こる確率が のとき、その試行を独立に何回もくり返すと、事象が起きた相対度数(=起きた回数÷試行回数)は、回数を増やすほど確率 に近づくよ。回数が少ないうちは割合が大きく揺れる(コインなら や まで跳ねる)けれど、回数を増やすほど のような理論確率のまわりの揺れ幅がだんだん小さくなる。これが大数の法則。私たちが「確率」と呼んでいるものが「長い目で見たときに割合が落ち着く先」であることを保証してくれる、確率の意味そのものを支える法則なんだ。
毎回の試行が独立で、どの回も同じ確率 で起きること(同じコイン・同じさいころを同じ条件でくり返すなど)。「大数」とは試行回数 が大きいことを指す。回数が少ないと揺れが大きく、この法則の「近づく」は効いてこないよ。
なぜ回数を増やすと割合が確率に近づくのかを、「たまたまの偏りが打ち消し合う」しくみから捉える。
回の試行では事象は「起きる/起きない」のどちらかで、割合は か に大きく振れる。回数が少ないうちは、たまたまの偏りがそのまま割合のブレになって、 を大きく上下にまたぐ。
回数を増やすと、起きすぎた回と起きなさすぎた回が打ち消し合って、全体としての割合は のまわりに集まってくる。「たくさんの独立な結果をならすほど、たまたまの偏りは薄まる」というのが直感だね。
ばらつき(揺れ幅)の目安は、試行回数 に対して に比例して小さくなる(くわしくは高校で学ぶ標準偏差ではかれる)。だから を 倍にすると揺れ幅はおよそ半分。 を大きくするほど揺れは に近づき、割合は へ寄っていく。
こうして「確率 =長い目で見た相対度数」が正当化される。これを厳密に述べたものが大数の法則で、確率を相対度数で見積もる(統計的確率)ことの根拠になっているんだ。
だから理論的に計算しにくい確率(画びょうの表裏が出る確率など)は、たくさん試して相対度数で見積もれる。逆に、数回やって割合がかたよっても「確率の値がまちがい」とは言えない。回数を増やせば に近づいていくのが大数の法則だね。
「しばらく表が続いたから次は裏が出やすい」と考えるのは「ギャンブラーの誤り」。大数の法則が言うのは 回ごとの出やすさが変わることではなく、回数を増やすと割合が に落ち着くこと。期待値(平均)についても同じで、たくさん試すと 回あたりの平均が期待値に近づく。回数を大きくしたときに割合がどう散らばるかは、正規分布(中心極限定理)でさらにくわしく分かるよ。
言葉で読んだら、動くアニメと自分の手で確かめてみよう。
この定理が、実際の問題でどう効くのかを見てみよう。