定理辞典📖 定理辞典

条件付き確率

条件付き確率と乗法定理

BB が起きた条件のもとで AA の確率は P(AB)=P(AB)P(B)P(A\mid B)=\dfrac{P(A\cap B)}{P(B)}。変形すると乗法定理。

主張

「事象 BB が起きた」という条件のもとで AA も起きる確率を条件付き確率といい、P(AB)=P(AB)P(B)P(A\mid B)=\dfrac{P(A\cap B)}{P(B)} で表すよ(P(B)>0P(B)>0)。全体を BB の世界に絞り込んで、その中で AA も起きる割合(部分÷\div全体)を見ている、ということ。この式を変形した P(AB)=P(B)P(AB)P(A\cap B)=P(B)\,P(A\mid B) が確率の乗法定理で、「22 つが続けて起きる確率」を求めるときの基本になるよ。

P(AB)=P(AB)P(B)P(AB)=P(B)P(AB)P(A\mid B)=\dfrac{P(A\cap B)}{P(B)}\qquad P(A\cap B)=P(B)\,P(A\mid B)
雨で傘晴で傘
「傘をさした人」(上のオレンジ 22 マス)だけに注目=世界を絞り込む。その中で雨だった割合が P()P(\text{雨}\mid\text{傘}) だよ。

成り立つ条件

条件にする事象 BB は起こりうる(P(B)>0P(B)>0)こと。標本空間を面積 11 の四角と見ると、P(AB)P(A\mid B) は「BB のタイルの中で AA も重なる部分の割合」=部分÷\div全体になる。割り算の分母はいつも「条件にする方」BB の確率(絞り込んだあとの全体)だよ。

なぜそう決まる?

標本空間を面積 11 の四角と見て、条件付き確率が「絞り込んだ世界の中の割合」になる理由を確かめる。乗法定理はその式を変形しただけ。

  1. 1

    全体(標本空間)を面積 11 の四角とみなすと、事象の確率はその面積で表せる。P(AB)P(A\cap B) は「AABB が両方起きる」タイルの面積、P(B)P(B) は「BB が起きる」タイルの面積だね。

  2. 2

    BB が起きた」と分かった時点で、注目する世界は BB のタイルだけに縮む。その新しい全体(面積 P(B)P(B))の中で AA も起きるのは ABA\cap B の部分だから、割合は下の式のように面積の比になる。これが条件付き確率 P(AB)P(A\mid B) の意味だよ。

    P(AB)=P(AB)P(B)P(A\mid B)=\dfrac{P(A\cap B)}{P(B)}
  3. 3

    この式の両辺に P(B)P(B) をかけると、下の乗法定理が出る。「まず BB が起き(P(B)P(B))、その上で AA も起きる(P(AB)P(A\mid B))」を順にかける、という意味だね。図の「クラス 100100 人 → 傘の世界に絞る → その中で雨の割合」がこの式そのものだよ。

    P(AB)=P(B)P(AB)P(A\cap B)=P(B)\,P(A\mid B)

AABB が独立であることは、P(AB)=P(A)P(A\mid B)=P(A)(条件をつけても確率が変わらない)と同じ。このとき乗法定理は P(AB)=P(A)P(B)P(A\cap B)=P(A)\,P(B) という見なれた形になる。逆に P(AB)=P(A)P(B)P(A\cap B)=P(A)P(B) が成り立てば A,BA,B は独立、と読める。立場を入れかえた P(BA)P(B\mid A) から P(AB)P(A\mid B) を求め直すのがベイズの考え方だよ。

補足・つまずきポイント

いちばんのつまずきは P(AB)P(A\mid B)P(BA)P(B\mid A) の取りちがえ。分母が BB なのか AA なのかで答えが変わる(「傘の人のうち雨」と「雨の人のうち傘」は別物)。分母は必ず「条件にする側=絞り込んだ世界の全体」。図のクラス 100100 人で言えば、P()P(\text{雨}\mid\text{傘}) は「傘の人ぜんたい(4545 人)のうち雨だった人(3030 人)」の割合 3045=23\dfrac{30}{45}=\dfrac23 だね。

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